阿部菜々実 「ラストアイドル」終了でソロ活動 「また夢を見つけられたら」

[ 2022年8月9日 07:30 ]

ソロライブで歌う阿部菜々実
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【牧 元一の孤人焦点】アイドルグループ「ラストアイドル」のメンバーとして活躍した阿部菜々実(20)がこの夏、ソロで再出発した。

 阿部は「以前は、ラストアイドルが終わったらステージはもういいかな、と思っていたんです。でも、1年くらい前、『ラスアイサバイブ』(ラストアイドルのメンバー同士のバトル)で1人でパフォーマンスすることが多くなって、ソロでやっていくのもいいな、と思うようになりました」と明かす。

 ラストアイドルはコロナ禍の影響を受け、今年5月31日に活動を終了。阿部は7月2日に都内で初のソロライブを行い、自ら作詞作曲した計14曲を披露した。

 「昔から曲を作ってみたいと思っていて、コロナ禍の自粛期間の時、今ならできるかも、と思って作り始めました。ソロでライブをするなら全てオリジナル曲にしようと思って、ラストアイドルの活動終了が決まった3月ごろから急いで新たに10曲くらい作りました。作り方はいろいろですけど、お風呂に入っている時やドライヤーを使っている時、うるさい環境で思いつくこともあります」

 グルーブ在籍中は長い手足を生かした華やかなダンスが魅力だったが、ソロライブではあまり踊らずにじっくりと歌い込む姿が目立った。

 「自分で振り付けを考えているんですけど、1人で歌って踊るのは結構難しいので、セーブしてしまうところがあります。ラストアイドルの時はみんなと踊るのが楽しかったし、ダンスは大好きなので、いつかまた思い切り踊りたいです」

 歌う全曲が自分の作品ならば肩書は「シンガー・ソングライター」とも言える。自身のYouTubeチャンネルで公開している楽曲「ラブソング」では作詞作曲だけではなく、動画のプロデュースや編集作業にも挑んでいる。

 「何かを作ることが好きなんです。でも、シンガー・ソングライターになったという感覚はありません。自分の気持ちとしては、ずっとアイドルだと思っています。シンガー・ソングライターはレベルが高くて、自分の中では『届かない存在』です。でも、私が作った曲をライブで聞いて頂いた方に『いい曲だね』と言って頂くと、とてもうれしい。そういう経験が今までなかったので、ソロになって良かったと感じています」

 ライブで披露した14曲をレコーディング中。10月にスタートするライブ・ツアーの前にアルバムとして発売する予定という。

 「先のことは全く想像できません。まだ20歳なんですけど、ここまでずっとやって来て、全てをささげて来たから、今は『夢が終わった』という感覚があるんです。これから、いろいろやってみて、そこでまた夢を見つけられたら…」

 モーニング娘。にあこがれて芸能活動を始めたのは3歳の時。ラストアイドルには15歳の時に参加し、2017年のデビュー曲「バンドワゴン」以来、多くの曲でセンターを務め、中心メンバーとして活躍して来た。

 「ラストアイドルではずっとプレッシャーを感じていて、辛いことばかりでした。でも、私の10代後半の全てをかけることができて、自分が強くなりました。これから、ちょっとやそっとのことではめげません」

 力強い言葉に明るい未来がうかがえた。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年8月9日のニュース