東村アキコ氏、初のビジネス漫画が静かなヒット 重版重ね累計6万部突破

[ 2020年12月21日 06:45 ]

 「東京タラレバ娘」「美食探偵 明智五郎」など人気ドラマの原作で知られる漫画家、東村アキコ氏(45)が初めて手掛けたビジネス漫画がヒットしている。「稲荷神社のキツネさん」(光文社)。出版関係者の間では連載でもなく、漫画誌にも掲載されない描き下ろし漫画のヒットが5万部とされる中、同作は3月末の発売から6刷まで重版を重ね、累計6万部を突破した。東村氏は「描きたいから描いた作品だったので、正直こんなに反響を頂けると思っていなかった」と静かなブームに驚いている。

 原作は神託コンサルタントの町田真知子氏で、旅行代理店のサラリーマンが稲荷神社で「商売の神様のお使い」を名乗る不思議なキツネと遭遇し、さまざまな指南を受けて生活を見つめ直す物語。東村氏が描いた愛嬌(あいきょう)あるキツネが「才能とは頑張らなくてもできること」「嫉妬したら負け。人と比べない、他人に関与しない!」などの金言を主人公に授ける。

 光文社には「気持ちがふさぎそうになるコロナ禍にあって背中を押してくれる」などの声が届いている。東村氏は「何かを乗り越えないといけないという時に読んで前を向いてくださった方がいると聞いて、ありがたく思っています」と話している。

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2020年12月21日のニュース