「エール」志村けんさん初登場にネット涙「いかりやさん彷彿の渋さ」「もっと見たい」次回登場は来週予定

[ 2020年5月1日 08:15 ]

連続テレビ小説「エール」第25話に、日本を代表する西洋音楽の作曲家・小山田耕三を演じる志村けんさんが初登場(C)NHK
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 3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなったコメディアンの志村けんさん(享年70)が1日に放送されたNHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)第25話で初登場した。朝ドラはもちろん、最初で最後のドラマ出演で、主人公に大きな影響を与える大御所作曲家役。出演時間約1分、セリフ2つと出番は少なかったものの、志村さんの存在感あふれる渋い演技がインターネット上で大反響を呼び、涙する視聴者も相次いだ。次回は来週登場予定。また、志村さんと主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而氏には番組スタッフも驚く“縁”があった。

 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶりとなる。

 第25話は、裕一(窪田)と音(二階堂)は興行主・鶴亀寅吉(古舘伊知郎)が持ち込んだ演奏会当日を迎え、大成功。演奏会は新聞にも取り上げられ、それを読んでいたのは意外な人物だった…という展開。

 この人物こそ、志村さん演じる日本を代表する西洋音楽の作曲家・小山田耕三。志村さんのキャストクレジットは最後から2番目。開始14分、裕一と関内家が海に出掛けた後のシーンに登場した。

 秘書(川島潤哉)「(新聞を手に小山田の部屋に入ってきて)先生、こちらの記事、お読みになりましたか?」

 小山田「それがどうした(イスに座る)」

 秘書「経歴、見てください(新聞を小山田の机の上に置く)。国際作曲コンクールで2等、とあります。ご存知でしたか?」
 
 ナレーション(津田健次郎)「この男、小山田耕三。日本作曲界の重鎮である」

 秘書「ストラヴィンスキー?新世代の音楽。先生の後継者がようやく現れた(新聞を読む)。大絶賛ですね。よかったですね。いつも『若い人たちが出てこない』と先生、嘆いていらっしゃったので」

 小山田「(新聞を手に取り)本物か、まがい物か、楽しみだね(つづく)」

 小山田が新聞を机に投げ置き、第25回を締めくくった。

 出演時間は約1分ながらも圧倒的な存在感を示した志村さんに、SNS上も「めちゃくちゃ渋い!カッコいい!」「鳥肌が立った」「1分足らずで志村けんさんの演技に魅かれる」などと絶賛の声が続出。

 「知らず涙があふれました。病気の陰も見えない、健康な姿。いつものコメディアンの雰囲気が全く感じられない重厚な趣きと、山田耕作というビッグネームを演ずる意外性とワクワク感。本当だったら、心から楽しめたはずなのに。志村さん。改めてご冥福をお祈りします」「あまり見ることのない真面目な渋い演技に涙がこぼれ、止まりませんでした」「いかりや(長介)さんを思わせる渋さだった!テロップで泣いて、出てきた瞬間また泣いた」「改めて、志村さんの演技もっと見たかったと思いました。素晴らしい演技。朝からまた悲しみと寂しさが込み上げてきました。志村さん、大好きです」「普段と全く違う姿に驚いた。こんな渋い役柄を見ていると、長さん(いかりや長介)を凌ぐ役者になったのかもしれないのではないかと思った」などの書き込みが相次いだ。

 志村さんの次回登場は来週予定。NHKは、志村さんの撮影済みシーンをそのまま放送する方針。それ以降について、関係者は「ナレーションを使って志村さんを登場させる形を検討している」としている

 福島市古関裕而記念館調べ(今年3月現在)によると、主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而氏が作曲した「校歌」は全国約200。そのうちの1つが「旧:都立久留米高等学校」(東京)。志村さんが1期生の母校だ。浅からぬ“縁”に番組スタッフも驚いている。

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