「エール」古川雄大 朝ドラ初参加と御手洗役に感謝「巡り合えた」ミュージックティーチャーの過去判明

[ 2020年4月30日 10:00 ]

連続テレビ小説「エール」で一躍人気キャラクターとなった御手洗先生を演じる古川雄大(C)NHK
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 NHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)の第24話が4月30日に放送され、“ミュージカル界の次世代プリンス”こと俳優の古川雄大(ゆうた=32)がはじけた演技を披露し、一躍人気キャラクターとなった御手洗先生の“過去”が明らかになった。濃密な役柄や、自身を「ミュージックティーチャー」と呼ぶ際、言い終わる前に「ミュージックティ」とぶった切る編集がインターネット上で話題に。朝ドラ初出演の古川は「朝ドラは小さい子どもからお年寄りまで、たくさんの方がご覧になっているので、反響があるかなと、こっそり期待していましたが(笑)、予想を遥かに超えるものでした」と影響力の大きさに驚き、感謝している。

 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶりとなる。

 古川が演じるのは、音の歌の先生・御手洗清太郎。音楽を学ぶため、ドイツに留学した経験がある。第16話(4月20日)終盤、音への指導シーンに初登場。「マーベラス、ファンタスティック!」「先生はやめて。堅苦しいの、嫌いなの。私とあなたはフレンズよ」「シャラップ!敬語は使いなさいよ」「親しき仲にも礼儀ありよ」「ミュージックティーチャーと呼びなさい」などとハイテンションぶりが印象的だった。

 第19話(4月23日)、第22話(4月28日)と「ミュージックティ」が2回“発動”され、ともにツイッターのトレンドに入った。

 この日は演奏会に向け、裕一が御手洗先生の家へ。裕一が「なんで先生と呼ばれることが嫌なんですか?」と尋ねると、御手洗先生は「私、こんなん(トランスジェンダー)でしょ?学校で先生に男なら男らしくしろって殴られたの。泥水を飲まされたこともあったわ。これで治るって。どうしようもないのよ。こうして生まれてきちゃったんだから。幸い両親は認めてくれてね、海外へ早く行かせてくれた。もちろん、あっちでも、東洋人だって差別を受けたわ。だけど、あっちはね、結果を出せば、認めてくれるの。死にものぐるいで頑張ったわ。私は恵まれていた方。みんな、隠して生きているの。先生って言葉が嫌いなのは、昔のつらい記憶を思い出しちゃうからってわけ」と告白。「私は音楽と出会って救われた。自分の存在を認められた。あなたには、私みたいなつらい思いをしている人たちに力を与える曲を作ってほしいの。どう、トライしてくれる?」と裕一に託した。

 強烈なキャラクターや“ぶった切り編集”もあり、御手洗先生は大反響。古川も「僕自身お世話になっている方々、俳優仲間や地元の友達、今まで連絡をあまり取っていなかった友達からも、たくさんの方にメッセージをもらったり、インスタグラムのコメントなどを見たり、今回の御手洗役の反響をとても感じております!朝ドラは小さい子どもからお年寄りまでたくさんの方がご覧になっているので反響があるかなと、こっそり期待していましたが(笑)、予想を遥かに超えるものでした。改めて朝ドラに参加できたこと、この役に巡り合えたことに感謝しています」と実感し、朝ドラ初出演の心境を明かした。

 「台本を読ませていただいた時、御手洗の台詞やキャラクター、台詞を途中で切る演出など驚かされることばかりでした。というのも、朝ドラに抱いていたイメージと、このような演出やキャラクターがリンクしなかったというのが一番の理由です」

 それでも「台本を読んでいく段階で、この作品のタイトル、テーマとして『エール』というものがあり、主人公をはじめ、さまざまな登場人物が壁にぶつかり、エールを受け取り、乗り越えていく、それぞれの人生の中でも重要なテーマが扱われていたりします。ところどころに入ってくる作品の明るさが素晴らしく、そのバランスが見ている方を、僕自身も見ていてとても引き込まれますし、御手洗もその役割を担っていると思います。御手洗はとても濃いキャラクターですが、過去のつらい経験を乗り越えて今の姿があり、さまざまなエールをもらっていて、その中に音楽と才能というものが強くあり、共通する音さんや裕一さんにエールを送っています。この作品の世界観を深く知っていくと、より、この役はとても魅力的で、とてもやりがいを感じております」と作品と役柄に惚れ込んでいる。

 2007年から4代目・不二周助を演じた2・5次元ミュージカル「テニスの王子様」でブレイク。出演作を積み重ね、18年5~6月に上演されたミュージカル「モーツァルト!」で帝国劇場初主演を務めるなど「“ミュージカル界の次世代エース”との呼び声が高く、今後さらなる活躍が期待されることから」、18年6月には音楽界・演劇界の功労者などに贈られる「第9回岩谷時子賞 奨励賞」に輝いた。

 18年10月期のTBS日曜劇場「下町ロケット」でゴールデン帯の連続ドラマに初のレギュラー出演。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」のロミオ役など王子様風のルックスが人気だが、そのイメージを覆す悪役に挑み、注目を集めた。今回の「エール」を機に、さらにブレイクしそうだ。

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2020年4月30日のニュース