西田敏行 モトーラ世理奈の演技力大絶賛「人生を3周しているぐらい」西島秀俊も「希有な才能の持ち主」

[ 2019年12月26日 20:44 ]

「風の電話」完成披露舞台挨拶に登場した(左から)西田敏行、三浦友和、モトーラ世理奈、西島秀俊、諏訪敦彦監督
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 女優のモトーラ世理奈(21)が26日、都内で行われた映画「風の電話」(監督諏訪敦彦)の完成披露舞台挨拶に登場した。

 アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフでモデル出身のモトーラは、極端な沈思黙考タイプ。司会者からの質問に対して、独特のゆったりした間で30秒、1分と考え込み、無言の時間が続くこともしばしばで、同席していた共演の西田敏行(72)が「質問なんでしたっけ?」と改めて問い返したり、観客に向かって「しばらくお待ちくださいねー」と語りかけるなど、何度となく機転を利かせて場をつなぐシーンもあった。

 しかしその演技力については、同作に出演したベテラン俳優陣が言葉を尽くしての大絶賛。西田が「50年近く芝居をやってきましたけど、若い女優さんなのにこんなに真実をじーっと見つめられる、目力の強い表現者に出会ったのは初めて。目と目が合うとしっかりと見透かされてしまいそうで、恐怖と喜びがない混ざってしまうような、そんな不思議な体験をしました。21歳のわりには人生を3周しているぐらいのいろいろなキャリアを感じるんです。すごい表現者が出てきたぞと思ったし、これから世理奈ちゃんがどういう風に大きくなっていくのか、この人の作品をもっと見てみたいですね」と語れば、同じく共演の西島秀俊(48)は「諏訪さんが選んだ女優だなという感じ。カメラの前であろうと、今みたいなたくさんの人の前であろうと、本来の自分でないことをしてしまったりせず、今感じていること、自分が本当に信じられることを嘘をつかず言葉にできる希有な才能の持ち主」。三浦友和(67)は「劇中でも僕と彼女は一言二言、ぽつんぽつんとしたセリフで今のようにずーっと沈黙が続くんですが、何も言わないんだけれどもやりとりができるというすごさを持った女優さんなんです。そのすごさをみなさんもこの映画の中で感じていただきたい」と、女優としての彼女のスケールの大きさにそろって惚れ込んでいる様子だった。

 最後に観客へのメッセージを求められたモトーラは「今日は本当に来てくださってありがとうございます。これから…これから…(主人公の)ハルと一緒に旅を楽しんでください。よろしくお願いします」と結び、客席からの温かい拍手を浴びていた。

 同作は、岩手県大槌町在住のガーデンデザイナーが2011年、死別した従兄弟ともう一度話したいと自宅の庭に設置した電話が「天国につながる電話」として人々に広まり、東日本大震災以降、3万人を超える人々がその場を訪れているという実話をモチーフにしたロードムービー。モトーラは広島から故郷の大槌町へと旅する主人公のハルを演じている。2020年1月24日より全国ロードショー。

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2019年12月26日のニュース