窪田主演朝ドラ「エール」 東日本大震災から10年へ 企画のスタートは「福島を応援したい」

[ 2019年2月28日 13:16 ]

NHKの2020年前期連続テレビ小説「エール」制作発表会見に出席した主演を務める窪田正孝
Photo By スポニチ

 NHKは28日、20年度前期の連続テレビ小説(月〜土曜前8・00)が「エール」に決まり、俳優の窪田正孝(30)が主演を務めると発表した。男性の主演は14年後期「マッサン」の玉山鉄二(38)以来、約6年ぶり(ヒロインはシャーロット・ケイト・フォックス)。3〜4月にかけてヒロインのオーディションを行う。

 昭和の音楽史を代表する天才作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏と妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏をモデルに音楽とともに生きた夫婦の物語を描く物語。制作統括の土屋勝裕氏は「(企画は)ドラマが放送される翌年の2021年は東日本大震災から10年。10年経つ前に福島の人を応援したい。福島でドラマができないかと探していた」という思いから出発したものだとし、「古関さんは福島の人にとっては故郷の偉人。福島の皆さんに元気になってもらいたい、そして日本中の皆さんに元気になってもらいたい。毎朝、古関さんの曲を聞いて楽しんでいただければ」と企画意図を説明した。

 主演の窪田について「お芝居が非常に達者な方だなと思っていた」という土屋氏。「今回の主人公は音楽はすごい天才的な才能を発揮するけど、それ以外はダメみたいな。穏やかで優しくてという、天才の部分とダメな部分と、優しさと、時には大胆にという、幅広い役柄を演じられる俳優さんとなると、お芝居が上手な方に演じていただきたいというのがあった」と絶賛。とはいえ「朝ドラなので、人気の方をキャスティングしたいなというのはある」と本音をもらし、「窪田さんは若い人たちに大人気。若い人たちにも見ていただきたい」とアピールした。最初は子役からスタートし、青年期から窪田が演じる。窪田は戦前・戦中・戦後の約30〜40年を演じることになる。

 脚本は「医龍」「コード・ブルー」シリーズ(フジテレビ)などを手掛けた林宏司氏が務める。土屋氏は「林さんは骨太な社会派なドラマが書ける一方で、やわらかいホームドラマも、コメディーも書けるということで、多彩な方なので、朝ドラは長いですから、いろんな引き出しがある、林さんに書いていただくことでよりドラマが面白くなるのではないか」と期待を寄せた。

 クランクインは今秋予定。作品は4Kでの撮影となり、撮影期間は通常より約2カ月前倒しとなるという。

 古関氏は1909年8月11日生まれ、福島県出身。全国高等学校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」をはじめ、プロ野球では阪神の「六甲おろし」や巨人の「闘魂こめて」、早稲田大学「紺碧の空」、慶應義塾大学「我ぞ覇者」、1964年に行われた東京五輪「オリンピック・マーチ」など、数多くの応援歌、行進曲の作曲を手がけ、和製スーザと呼ばれた。

続きを表示

2019年2月28日のニュース