盗塁が増え、再び捕手の強肩にスポットライトが当たる今季 ポップタイム、阻止率などに注目

[ 2023年4月23日 10:32 ]

ダイヤモンドバックスのガブリエル・モレノ(AP)
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 米データサイト「ファングラフス」が、今季は新ルールでメジャー全体で盗塁の企図数が増えるため、再び捕手の強肩にスポットライトが当たると指摘している。そしてここまではダイヤモンドバックスのガブリエル・モレノ(23)とカージナルスのウィルソン・コントレラス(30)が目立っているとした。

 モレノは3回走られたが、5回刺して阻止率63%だ。重要な指標はスタットキャストのポップタイム(POP TIME/POP)。盗塁やけん制で、投手の投げた球が捕手のミットに収まった瞬間から、送球が狙ったベースの真ん中に届いたであろうタイム(秒)を示す。まずはクイックネスが重要で、フットワークと、ミットからボールを抜き取り投げるまでの両方をスムーズに素早く行い、その上で強肩が鍵になる。もちろん盗塁を刺せるかどうかは、走者のスピード、捕手の送球の正確さ、投手のモーションの大きさなども大きく関係するが、捕手の能力を表すベストの指標としては、現時点ではポップタイムだ。モレノは昨季のアリゾナ秋季リーグで二塁ベースへのポップタイムは1・95から1・98で、リーグ平均よりほんの少し上なだけだったが、今季はここまで1・9秒と素早い。片膝をついたスタンスから素早く動くのは難しいが、完ぺきなフットワークでそれが可能になる。ボールを受けてから投げるまで(エクスチェンジ)も素早い。送球の速度は平均81・3マイルと必ずしも速くないが正確でピンポイントに投げられる。

 オフにカブスから移籍したコントレラスは送球の球速が平均87・4マイルとメジャーきっての強肩。カブス時代は、レシービングもフレーミングも苦手な方で、打撃は良いけど、守備はいまひとつの評価だった。しかし今季はメジャーで盗塁が復活することで、コントレラスの守備力も見直される。ここまで5回走られたが5回刺して阻止率50%だ。エクスチェンジは0・75秒で遅い方だが、鉄砲肩で埋め合わせる。ポップタイムは1・92。得意の打撃に加えて強肩、今季はコントレラスにとって最高のシーズンになると「ファングラフス」は予測している。

 他ではロッキーズのエリアス・ディアズがポップタイムが1・90で11回で5回刺し阻止率45%。レッドソックスのコナー・ウォンは1・87で6回で4回刺し67%。アストロズのマーティン・マルドナドは1・90で8回で4回刺し50%だ。

 一方で守備が良いと評価されてきた捕手で、盗塁が増え、評価を下げたのはヤンキースのホセ・トレビノ。ポップタイムは1・97で、10回走られすべて成功、阻止率0%。ドジャースのオースティン・バーンズは2・00で17回走られ2回しか刺せず12%だ。盗塁を許すのは捕手だけの責任ではないが、これだけ走られると守備が良いという看板に傷がつく。ちなみにポップタイムがメジャーで一番良いのは、この部門の常連フィリーズのJT・リアルミュートで1・82。20回走られ7回刺し、阻止率35%。一番悪いのはエンゼルスのローガン・オハピーで2・10。12回走られ刺したのは1回だけで、阻止率7%となっている。

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2023年4月23日のニュース