苦闘中の日本ハムに闘魂注入「骨折×2」を感じさせない“恐ろしい男”

[ 2023年4月23日 07:30 ]

<楽・日>8回、上川畑の安打で生還する江越.。捕手・安田(撮影・久冨木 修)
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 恐ろしい男がいる。昨季に阪神から日本ハムにトレード加入した江越大賀外野手(30)のことだ。開幕前の3月1日の練習中に右手首に死球を受けて骨折しながらも、翌2日の紅白戦で満塁弾を放った。さらに、7日オリックス戦で死球を受け、左脇腹の肋骨までも折れた。でも、1軍で普通の顔をしてプレーしている。

 右手首は完治まであと少しだが、左脇腹にはテーピングを巻いている。22日の楽天戦では8回に代走で出場し、移籍後初の二盗を決めた。さらに、その後の上川畑の適時打で二塁から猛ダッシュし、本塁に滑り込んで生還した。

 試合後にその場面について報道陣に問われても「そうですね。たぶん、(骨が)くっついたんじゃないですか」。何食わぬ顔を見せ、本当に骨折しているのかと疑いたくなる。その裏の右翼守備でも、島内のフェンス直撃の当たりを素早く捕球し、二塁へノーバウンド送球してアウトにした。新庄監督も「江越君のプレーが大きかったですね」と称えられていた。

 グラウンド外でも、「江越効果」が生まれている。15日の西武戦で9失点して負け投手になった1学年下の上沢の相談相手となり、「考えすぎずに、普通に自分の持っているもの出せばいいんじゃない」とアドバイスを送った。その効果もあってか、上沢は22日の楽天戦で、8回途中3失点で今季2勝目を手にした。

 故障離脱者が続出し、最下位に沈む苦しいチーム状況だが、「骨折×2」の状態でもハッスルプレーを続けて、闘魂を注入している30歳。ド根性男から、目が離せない。(記者コラム・田中 健人)

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2023年4月23日のニュース