大谷翔平“超絶スルー”の舞台裏「最初は捕ろうかと思ったけど…」遊撃・ネトを信じ、とっさにグラブ引く

[ 2023年4月22日 13:59 ]

ア・リーグ   エンゼルス2ー0ロイヤルズ ( 2023年4月21日    アナハイム )

試合後の囲み取材に応じる大谷(撮影・柳原 直之)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が21日(日本時間22日午前10時38分開始)、本拠地ロイヤルズ戦で「2番・投手兼DH」でスタメン出場。投げては7回無失点で今季自己最多11奪三振で3勝目をマーク。打っては4打数1安打だった。チームは2-0でロイヤルズを下し、連敗を2で止めた。

 初回は12球で、3者連続で空振り三振と絶好の立ち上がりを見せた。6回には球速差が10キロ以上あるカーブを駆使。四球の後、この日2度目の3者連続三振で圧倒した。7回も続けて6者連続三振を奪い、7回まで2安打11奪三振の力投だった。防御率0・64とし、両リーグトップに浮上。開幕から5試合での防御率0・64は球団新記録となった。

 特に3回には守備で頭脳プレーを見せた。先頭・オリバレスに左前打を許した直後。続く8番・ロペスの打球は本塁付近でバウンドし、大谷の頭上を越えそうな当たりだった。大谷は目前に来た球を捕球しようとジャンプしかけたが、とっさにグラブを下げると、遊撃・ネトが捕球。そのまま二塁を踏んで即座に一塁へ送球し、間一髪で併殺を奪った。打者のロペスは俊足。大谷が中継して二塁へ送球していては間に合わないという瞬時の好判断で、ピンチの芽を摘み取った。大谷は「ネトの守備力があれば十分アウトになると思った。最初は捕ろうかと思いましたけど。捕るよりはスムーズに、(グラブを)引いた方がいけるんじゃないかと思いました。素晴らしかったと思います」とネトの守備に感謝した。

 遊撃で先発したネトは2022年ドラフトで1巡目(全体13番目)に指名された新人。15日に、打率・125と打撃不振に陥っていた3Aソルトレイクの降格したデビッド・フレッチャー遊撃手に代わって昇格した。キャンベル大(ノースカロライナ州=全米大学一部校)時代はMAX93マイル(150キロ)の速球が武器の投手としてもプレーした元二刀流選手。昨年は同大学の試合に4試合に登板して1勝0敗3セーブという成績を残していた。打っては打率・407、15本塁打をマーク。ドラフトされたあとは2Aロケットシティーで30試合に出場して打率・320、4本塁打、今季は7試合で・444、3本塁打、10打点をマークし、マイナー出場は44試合だけでメジャー初昇格を果たしていた。

 開幕からここまでバッテリーを組んだオハピーの負傷離脱、メジャー初の中3日に加え、東海岸から西海岸の長距離移動と様々なハードルにも臆さず冴えたプレーを見せた大谷。「体の調子は良かった。ぎりぎりまでいつも寝ます。まあ東から西はそんなにきつくないので。どちらかというとこっちから東に遠征行く方が体的にはきついですから」と語った。

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