メッツ・千賀 マエケン以来デビュー3連勝 前回5回2死降板の屈辱も…渾身156キロで1点差守った

[ 2023年4月22日 02:30 ]

ナ・リーグ   メッツ9―4ジャイアンツ ( 2023年4月20日    サンフランシスコ )

ジャイアンツ戦に先発し、5回を5安打4失点で3勝目を挙げたメッツ・千賀(ロイター/USA TODAY)

 耐えた!メッツの千賀滉大投手(30)が20日(日本時間21日)、敵地サンフランシスコでのジャイアンツ戦に先発。5回に1点差まで迫られるもリードを死守し、2発被弾など苦しみながら5回5安打4失点で無傷の3勝目を挙げた。日本投手のメジャーデビューから3連勝は先発では16年前田(ドジャース、現ツインズ)以来。チームの先発事情が苦しい中、海を渡った「お化け」が投手陣を支える。

 勝利投手の権利まであと1アウトだった。1点差に迫られ、なお5回2死二塁。千賀は渾身(こんしん)の156キロ直球でフローレスを二飛に仕留めた。14日アスレチックス戦も「あと1人」の4回2/3でマウンドを譲った。意地の白星。それでも右腕は試合後も険しい表情を崩さず、歯がゆそうに口を開いた。

 「何とか長いイニングを投げたいと。先発としてしっかり働けていない部分がある。野手の人に感謝です」。初回1死一塁では通算136本塁打のコンフォートを代名詞の「お化けフォーク」で空振り三振。4回まで2安打無失点と快調な投球だった。しかし5回、先頭サボルに一発を浴びてから暗転。「(投球を)読まれて打たれた印象。データを見て反省したい」。2本塁打に2四球、暴投もあってこの回4失点もリードは死守した。

 メジャー1年目ながら自身の役割は十分に理解している。メッツの先発事情は苦しい。サイ・ヤング賞右腕バーランダーが右肩筋肉の張りで負傷者リスト(IL)入り。同じく同賞受賞のシャーザーは粘着物質の不正使用で10試合の出場停止処分を科された。千賀にかかる期待は自然と高まる。4度の先発で6回まで投げたのは1度だけ。だからこそ「長いイニングを」との言葉が口をついた。

 メジャーデビューから先発での3連勝は、日本投手では16年の前田以来5人目。3勝はリーグトップタイだ。それでも千賀は納得していない。「(チームが)負けていないことだけがポジティブな要素。先発として役割を果たしたい」。投手陣を自身がけん引する。それこそが「お化け」の誓いだ。

 ≪5人目の偉業≫千賀がデビューから4試合で負けなしの3連勝。日本投手でデビューから3連勝は先発では16年の前田(ドジャース、現ツインズ)以来、5人目となった。デビューからの連勝記録は02年石井(ドジャース)、14年田中(ヤンキース)の「6」。また、リリーフでは04年高津(ホワイトソックス)、05年藪(アスレチックス)、21年沢村(レッドソックス)がデビュー4連勝をマークしている。

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