ツインズ右腕ロペス 空振り率50%のスイーパーで一躍メジャーのトップ投手に「曲がり幅安定させたい」

[ 2023年4月22日 09:44 ]

ツインズのパブロ・ロペス投手(AP)
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 大リーグ公式サイトが21日(日本時間22日)に発表した投手パワーランキングでツインズのパブロ・ロペス投手(27)が5位に選ばれた。

 マーリンズ時代には94試合先発して防御率3・94だった投手がツインズに来て急に良くなった。今季の成績は4試合に先発して1勝1敗、防御率1・73、26イニングで33個の三振を奪い、15安打しか打たれていない。今季の年俸は545万ドルだが、ツインズはさっそく4年総額7350万ドル(約98・6億円)の契約延長を与えた。基本給以外にサイヤング賞獲得で50万ドル、同賞2位で25万ドル、3位で15万ドル、4位から6位で10万ドルのボーナスが付く。加えてオールスター選出で2万5000ドル、ゴールドグラブ賞で2万5000ドル、ワールドシリーズMVPで10万ドル、リーグチャンピオンシップシリーズMVPで5万ドルとなっている。

 なぜ急にこんなに良くなったのか。米データサイトの「ファングラフス」によると、新たに球種に加えたスイーパーが空振り率50%と右打者を圧倒しているからだ。エンゼルスの大谷翔平も主要な武器にしているフリスビーのように横に大きく曲がるスライダーである。「オフにトレーニング施設のドライブラインを訪ねたのがきっかけ。ただその時は短い滞在だったし、本格的に取り組んだわけではなかった」とロペスは話す。

 トレードが決まり、ツインズのキャンプで最初のミーティング。そこでピート・マキ投手コーチからカッターについての提案を受けた。昨季被打率・321と良く打たれていたからだ。マキコーチは「当初考えたのはカッターをもっと曲げること。動きが4シームとそんなに変わらなかったらね。最初からスイーパーを提案しようと思っていたわけではない。しかしながら彼のボールのリリースの仕方を見ていると、良い感じで縫い目に指がかかっていた」と話す。もともと腕の振りは縦ではなく、横気味。ゆえに変化球を横に曲げやすい。スローモーションカメラで細かく分析、リリース時の手の位置を微調整しながら、新しい変化球を磨いた。シーズンに入り、平均95・4マイルの直球と、83・8マイルのスィーパーで右打者を圧倒している。曲がり幅は22・8センチから38・1センチでまだヒットは2本しか打たれていない。対左打者にはチェンジアップを使用。昨季は2番手の球種で投球全体の35・3%を占め被打率・220だったが、今年は3番手の19・8%で、被打率・048と向上している。

 もっとも本人はスイーパーはまだ調整中だと言う。大きかったり、小さかったりと曲がり幅が安定しておらず、26センチから28センチくらいになるのが理想だそうだ。「カーブもそうだけど、曲がりが大きすぎると打者が見極めやすい。始めは直球のように見えて、打者の近くに来てから曲がるように見えるのが良い。曲がり幅が安定すれば、どの辺から曲がり始めどこまで行くのか視覚化でき、最初にどこを狙えば良いのかわかる」と説明する。スイーパーは今メジャーで最もトレンドな球種で、この2年間で使用回数が2倍に増えたといわれる。ロペスが約98・6億円の契約延長を得たことで、さらに人気が高まるだろう。

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2023年4月22日のニュース