ソフトB 藤本監督の陽動作戦もロッテ朗希に通じず…それでも前向き「次はいける」

[ 2023年4月22日 07:10 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2―3ロッテ ( 2023年4月21日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>5回、二ゴロに倒れたソフトバンク・増田(撮影・島崎忠彦)
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 藤本監督の陽動作戦も“令和の怪物”の前に功を成さなかった。ソフトバンクの藤本博史監督(59)は21日、ロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初めて中村晃外野手(33)を1番に起用するなど、ロッテ先発・佐々木朗希投手(21)攻略を狙ったが、7回を3安打無得点に抑えられた。前日には1番上林を示唆するなどかく乱したが今季初の3連敗。首位はキープしたものの上位4チームがゲーム差なしにひしめく大混戦となってきた。 

 佐々木朗の攻略ならず今季初の3連敗。それでも帰宿バスへと向かう藤本監督は、落胆の表情は一切見せずに明るく努めた。

 「あー、8、9回のみ(チャンス)やったね。でも、朗希君に対して、みんなミートを中心にコンパクトにやってくれた。(バットの)芯で捉えたのもあったし、今の感じなら次はいける」

 1番・中村晃に8番・増田――。剛腕対策で仕掛けた陽動作戦もあと一手、一本が足りなかった。選球眼と出塁の高さを評価し中村晃を2年目の藤本体制で初、20年9月1日オリックス戦以来3年ぶりにリードオフマンに置いた。

 「狙いはまっすぐ。それ以外ないと。1番として、球を見ている暇はない。打っていかないとやられる」

 中村晃は覚悟を決めていた。初回初球の162キロを左飛。得意の粘りを捨てた。3回2死では2球連続フォーク後の163キロ直球を左前打。6回2死では160キロ直球を右飛。佐々木朗から1安打を含む2安打1打点。「ゾーン内で制球が良かったし四球は望めなかった。何とかしようと直球には攻めていけた」と収穫はあった。

 中村晃の抜てき理由は1番で固定してきた周東の不振。20日の調整で指揮官は、1番に上林の名前をちらつかせ、周囲をかく乱。8番・増田も同じ。佐々木朗の交代後の左腕用代打で待機をにおわせこの日の“勝負手”を隠していた。

 19日の西武戦で今季初1軍昇格即スタメンで2安打2打点を挙げた元気印・増田の結果はいずれも直球を中飛、二ゴロ。ただ剛腕降板後の8回1死でペルドモから中前打を放ち、指揮官も「変わらず(打撃)内容がいい」と称えた。打線は9回に3番手の益田から3連打を放つなど1点差。追いすがったが2試合連続1点差での惜敗となった。

 初回2死で柳田がフォークを右前打。今季初めて佐々木朗から安打を放った左打者となった。なおも暴投で同三塁となったが、続く栗原は投ゴロ。怪物を前に打線がつながらなかった。「みんなバットを短く持ってね、飛距離は出ないけどライナーでね。晃も良かったんやけどねー。なかなか、うまいこといかんわな、ほんま」。大阪弁で本音をもらした。 (井上 満夫)

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2023年4月22日のニュース