阪神・プロ初勝利挙げた村上の指名決断はドラフト当日「球団にお願いした」 矢野燿大氏が明かす秘話

[ 2023年4月22日 18:24 ]

セ・リーグ   阪神2-0中日 ( 2023年4月22日    バンテリンD )

<中・神> 初勝利を完封で飾りナインとハイタッチをかわす村上(右から2人目)(撮影・大森 寛明)
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 阪神の村上頌樹投手がプロ初勝利を無四球完封で飾った。今季で3年目を迎えた右腕は佐藤輝、伊藤将、中野らと同期の2020年ドラフト組。5位指名だった右腕の調査書をドラフト当日に提出し、球団内で猛プッシュしたのは当時の指揮官だった矢野燿大氏(本紙評論家)だった。

 20年10月26日のドラフト会議で村上は阪神から5位指名を受けてプロの扉を開いた。智弁学園時代の16年に選抜で優勝、東洋大でもエースとして白星を重ねた実力だったが、実は球団が同大に調査書を提出したのはドラフト当日。“駆け込み”で結ばれた縁だった。

 球団内で猛プッシュしたのは、当時の指揮官だった矢野燿大監督(本紙評論家)。「ずっと気になっていた。俺が希望してドラフト当日に調査書を出した。出していなくても指名はできるけど、礼儀上の問題でね。仁義を切った」と当時を振り返る。キレの良い直球に加えて、目を見張ったのは、この日も要所で繰り出していたカーブ。「緩急が使えて、落ちるボールもある。捕手としてリードしたいピッチャー」と動画を見て惚れ込んだ。

 ただ1つ、懸案があったとすれば古傷。ドラフト約1カ月前の中大戦で右前腕の肉離れを発症していた。矢野監督は、スカウトなどを通じて東洋大の杉本泰彦監督にも状態を確認。「良くなっていると聞いたので球団に(指名を)お願いした」と指名が実現した。矢野政権ではルーキーイヤーの21年に1軍で2試合に登板のみと結果は出なかったが、3年目を迎えた右腕がその潜在能力を証明しつつある。

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