エンゼルス・大谷がノーノー阻止!9回1死から右翼線三塁打 ラストサムライの前で二刀流サムライが意地

[ 2022年6月17日 02:30 ]

インターリーグ   エンゼルス1-4ドジャース ( 2022年6月15日    ロサンゼルス )

<ドジャース・エンゼルス>9回1死、エンゼルス・大谷がノーヒットノーランを阻止する三塁打を放ち大ブーイングの中手を上げる(撮影・篠原岳夫)
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 二刀流サムライが意地の一打だ!エンゼルスの大谷翔平投手(27)が15日(日本時間16日)、ドジャース戦に「3番・DH」で出場。9回1死まで無安打無得点投球を続けていたタイラー・アンダーソン投手(32)からチーム初安打となる右翼線三塁打を放ち、今季自己最長の連続試合安打を10に伸ばした。チームは敗れたが、日米交流イベント「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」で確かな存在感を示した。

 5万812人の大観衆で埋まったドジャースタジアムは異様な空気に包まれていた。相手左腕アンダーソンの無安打無得点投球が続いていた9回1死。大谷はブーイングを浴びながら打席に入った。「安打じゃなくても四球でもいい。塁に出たいと思った」。常にチームの勝利を念頭に置く「二刀流サムライ」が、快音を響かせた。

 アンダーソンが投じた123球目。初球だった。外角カットボールを右翼線方向へ。右翼手のベッツが懸命にダイビングキャッチを試みたが及ばず、打球が転々とする間に快足を飛ばして今季初の三塁打とした。ド軍ファンを落胆させるチーム初安打で自己最長にあと1とする10試合連続安打。左腕に対しては昨季最終戦で46号本塁打を放つなど3打数3安打だったが「全体のバランスで勝負する投手。リズムも良かったし、ドジャースの攻撃のリズムもかみ合っていたので、なかなか難しかった」と称えた。

 この日は恒例の日米交流イベント「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」。特に今年は1872年に野球が日本に伝わってから150周年にあたり、場内には日米通算201勝の野茂英雄氏がド軍在籍時に使用したスパイク、03年球宴でマリナーズのイチローが使用したバットなどが展示された。始球式を務めたハリウッド俳優の渡辺謙は試合前に大谷について「想像を超える活躍。未知なるものに挑戦し続けることに凄くシンパシーを感じる」と話し、エ軍側一塁ベンチ上の最前列で観戦。試合後は自身のSNSに2ショット写真をアップするなど大興奮の様子だった。

 チームは99年以来23年ぶりの無安打無得点の屈辱こそ回避も3連敗で借金は今季ワーストの6。悪い流れを断つべく、大谷は16日(日本時間17日午前11時10分開始)の敵地マリナーズ戦で先発マウンドに立つ。登板前夜でも最後まで集中力を維持したが「いつも同じ感じ。一打席一打席、集中して頑張りたい」と涼しい顔で言う。

 「ラストサムライ」など数々のハリウッド映画で活躍する渡辺謙の前で躍動した大谷。研ぎ澄まされた2本の刀で、これからも日米のファンを魅了する。(笹田 幸嗣通信員)

 ▽日米の野球交流 1872年に米国人教師として来日したホーレス・ウィルソンが第一番中学(のちの東大)で学生たちに日本で初めて野球を教えたとされる。1934年にはベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグら大リーグ選抜が来日。日本は全国を転戦した16試合で全敗を喫したが、沢村栄治が第9戦(静岡)で見せた8回5安打1失点の快投は今でも伝説として語り継がれる。日米野球開催は18年まで計39回。近年はWBCや五輪で激戦を繰り広げている。

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