新人の成長とチームへのメッセージ 最終回に日本ハムベンチが北山を続投させた理由

[ 2022年6月17日 23:51 ]

パ・リーグ   日本ハム4―7ロッテ ( 2022年6月17日    札幌D )

9回、2点差を守れず逆転を許した日本ハム・北山(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムの新庄剛志監督(50)は動かなかった。2点リードの9回、3番手の北山亘基投手(23)が同点に追いつかれてなお2死二、三塁。三木に直球を4球続けて四球で歩かせるも、ベンチは北山を降板させなかった。2死満塁で迎えた中村に前進守備の左翼頭上を越す走者一掃の3点適時二塁打を浴び、ようやくベンチは動いた。

 直球すら入らない状況。誰の目から見ても、北山が手いっぱいなのは分かっていた。後ろには古川侑も準備しており、三木を歩かせた時点で降板させておけば、最悪延長戦も考えられた。それでも、続投させた理由を武田勝投手コーチは「逆転されるまで。クローザーなので」と新人の成長を期待し、あえて酷な選択をした。

 2点リードの緊迫した場面。かつ先発した上沢は19年4月12日以来、ロッテ戦の勝利が懸かっていた。絶対に先輩の勝利を消してはいけない。重圧のかかった場面を、そして苦しい場面をどう乗り越えるか。それが経験できるのは実戦しかない。リーグ戦の再開初戦、カード頭で勝利が欲しい試合ではあったが、すべては新人を成長させるため。

 チーム全体へのメッセージでもある。現在、救援陣の柱だった宮西、堀が2軍調整中。リリーフが苦しいチーム事情で、新人に任せるしかない状況に中堅、ベテランが何も感じない訳がない。武田コーチは「打たれるのも勉強ですし、四球1つの怖さも勉強だと思って。きょうの一敗というのをしっかり、心に焼き付けて明日切り替えてその反省を生かして欲しい」と、話した。(清藤 駿太)

続きを表示

2022年6月17日のニュース