日本ハム・北山、万波の涙 魂がこもった一投一打にファンも感情移入 若き泣き虫集団の成長に期待

[ 2022年6月3日 11:00 ]

27日の試合後タオルを顔にやる万波(撮影・河野 光希)
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 ファンは選手の魂のこもった一投一打に感情を移入する。勝負どころでの会心のガッツポーズには同じように歓喜し、選手の悔し涙には同じように涙するファンもいるはずだ。

 気持ちを表に出さないポリシーを持つ選手もいるだろう。ただ、感情をむき出しにする選手にファンは間違いなく心を揺さぶられる。

 日本ハムでは24、25日のヤクルト戦で2戦連続サヨナラ弾を浴びた新人守護神・北山が26日のヤクルト戦に3連投。4点リードの延長10回に気迫がこもった全23球ストレート勝負で1失点しながらリードを守り切った。「2日間凄く悔しかった」。試合後、ナインとハイタッチする目には涙が光っていた。また、万波は27日の巨人戦で2点リードを一時同点とされる適時失策。試合後のベンチで同じく涙を流した。

 万波は後日、涙を流したことについて問われると、こう説明した。「自分がミスしてしまった悔しさというよりも、最後に先輩たちがカバーしてくれた。(先発の)上沢さんが(失策後にあえてベンチ前で出迎えて背中を)ポンポンってしてくれましたし、浅間さんが(決勝ソロを放って)カバーしてくれて感動しちゃいましたね。何かもう映画のワンシーンの中に自分が入ったような感じになっちゃって。本当に感動しました。すごい先輩たちだな、と」。悔し涙ではなく、感動の涙だったのだ。後輩のミスを必死でカバーした上沢と浅間。ヒーローインタビューで浅間が「明日は万波がやってくれると思います!」と発言したことも万波が涙した一因だったのかもしれない。

 新庄監督は熱いハートを持つ若者2人を「泣き虫集団、いいね」と評し、悔しさを力に変えてくれることに期待した。北山や万波の悔しい経験はこの先必ず生かしてくれるはずだ。成熟したチームではないが、発展途上の若手の成長を見守る楽しみが今の日本ハムにはある。失敗は多いかもしれない。ただ、確かな成長を実感できる喜びもあるだろう。新庄監督の手によって、若きナインが少しずつたくましくなっていく様子をじっくり見ていきたい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2022年6月3日のニュース