ロッテ レアード暴言でパ27年ぶり同一チーム2試合連続退場者 関西審判団と深まる遺恨

[ 2022年5月16日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5―8オリックス ( 2022年5月15日    京セラD )

<オ・ロ>2回、見逃し三振に倒れるレアード(撮影・成瀬 徹)  
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 ロッテのブランドン・レアード内野手(34)が15日、オリックス戦の2回の第1打席で見逃し三振の判定に猛抗議。暴言で白井一行球審(44)から退場処分を受けた。前日の井口資仁監督(47)に続く暴言での退場。同一チームで2試合連続で退場者が出るのは、パ・リーグでは27年ぶり3度目という異例の事態に。4番を早々に欠いたチームは連敗で借金8。最下位の日本ハムまで1ゲーム差となった。

 ベンチに戻りかけたレアードの背中に、白井球審が退場を宣告した。怒るレアードを無視してマイクを握ると「レアード選手を暴言で退場といたします」と場内にアナウンス。球場は騒然となった。

 「英語だったので、何を言われたかを理解してから、これは暴言だなと。僕も英語は堪能ではないので」

 一度左手を挙げ、注意した上での宣告。発言からワンテンポ遅れた理由について、白井球審が試合後に説明した。それでも「暴言を吐いたので退場。(発言の)内容は言えません」と確信を持った上での処分だった。

 2回先頭の打席。1ストライクから宮城の2球目、内角の142キロ直球が「ストライク」とコールされるとレアードは白井球審に視線を送った。そして3球目、ほぼ同じコースの141キロ直球で見逃し三振を喫し、怒りを爆発させた。去り際に大声で発した言葉が「暴言」となった。

 伏線は4月24日の同戦までさかのぼる。マウンドの佐々木朗に向かって白井球審がマウンドに詰め寄る行動が、ロッテナインの間に不信感を生んだ。そして、前日も9回2死一、二塁の場面でエチェバリアが見逃し三振を喫し、井口監督が福家英登球審の判定に抗議し、退場処分を受けた。同一チームで2試合連続退場者が出るのは、パ・リーグでは27年ぶり3度目という異常事態。過去2度は審判への暴行と、選手間のトラブルで、審判員への暴言ではなかった。

 0―2の5回に一度は逆転したが、先発・ロメロが5回4失点の不調で再逆転。5回2死二、三塁。7回2死三塁と反撃チャンスは来たが、レアードに代わって4番に入った福田秀が連続三振。井口監督も「4番が1打席で抜けるのは痛かった」と主砲の退場を嘆いた。2連敗で借金8。最下位・日本ハムが1ゲーム差で迫る。今、本気で戦うべき相手は審判ではない。(君島 圭介)

 ≪セでは11年ヤクルト≫レアードが2回に審判への暴言で19年8月1日以来自身3度目の退場処分となった。ロッテは前日の井口監督に続く退場者。同一球団の2試合連続退場者は、11年6月12、14日にヤクルトが館山昌平(危険球)とホワイトセル(審判への侮辱行為)で記録して以来11年ぶり。パでは61年9月17、18日に西鉄の坪内道則コーチ、仰木彬(ともに審判への暴行)、95年9月16、17日に日本ハムのデューシー(選手間トラブル)が1人で2試合連続退場になって以来27年ぶり3度目、チームでは初めてとなった。

 ≪ロッテと審判団のこれまで≫

 ▼4月24日 オリックス戦(京セラドーム)で佐々木朗が判定に不服な態度を示したと白井球審がマウンドに詰め寄る。試合後、審判団は「別に話すことはない」とコメント。井口監督は「球審はもっと冷静にやらないといけないし、判定に対しては我々は言ってはいけない」。

 ▼26日 NPBの井原事務局長が白井球審の試合中の行為について、友寄審判長から「別の方法があった」と指摘があったことを明かす。またこの件に対してNPBに「相当数(の意見)があった」と明かす。

 ▼28日 プロ野球選手会が審判団とのコミュニケーション不足が一因との見解を示し、NPBへ質問状を送る考えを明かした。

 ▼5月2日 審判員による全体ミーティングがオンラインで開かれ、「審判員に対する一般指示」に記される行動規範の順守を確認。12球団にも実施を報告。

 ▼14日 オリックス戦(京セラドーム)の9回2死一、二塁でエチェバリアの見逃し三振のストライク判定を巡り井口監督が強く抗議。「侮辱的な発言」を理由に退場処分となる。

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2022年5月16日のニュース