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広島ドラ3・中村健 父と天国の母に捧げるプロ1号&初猛打賞 45打席目、マツダで打てて感激

[ 2022年5月16日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-5ヤクルト ( 2022年5月15日    マツダ )

<広・ヤ>5回無死一塁、右越え2ランを放ち、三塁を回って拳を握る中村健(撮影・坂田 高浩)
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 広島のドラフト3位・中村健人外野手(24)が15日のヤクルト戦でプロ1号を放った。0―2の5回に迎えた通算45打席目で石川から同点2ランを決め、初の3安打も記録した。白星にはつながらなかったものの、救援7投手が無失点リレーでつなぎ、今季2度目の引き分けに持ち込んだ。

 中村健は、学生時代に何度も父・起章さんからのメモを受け取ったという。紙切れには「準備を完璧にすれば、メンタルをプラスにできる」など気持ちを強く保つための方法が書かれていた。高校生になり、手渡されるのはスポーツ心理学の本に変わった。学び続けるうちに、プラス思考で打席に入ることが当たり前になった。

 石川を攻略できずに無得点で迎えた打席でも楽観的だった。「つなげられればいいや」。0―2の5回無死一塁。フルカウントからのシンカーを逆らわずに右方向へはじき返した。打球の勢いは衰えることなく、右翼席最前列で弾む同点2ランとなった。45打席目での1号。本拠地でコイ党から大きな拍手で祝福された。

 「低めに目をつけて、浮いてきたところにいいスイングができたと思う。マツダで打てることがこんなに幸せなんだな…とかみしめながら回っていた。凄くうれしかったです」

 父から教えられたプラス思考を心の支えにしてきた。高3秋に母・由樹さんが急性骨髄性白血病で倒れた。最期の別れが近づいていたとき、父に言った。「諦めないでいよう。そのうち元気になるよ」。慶大のAO入試を受けたのは母が亡くなった数日後だった。「これから結果を残してもまだ間に合う。お母さんには天国で喜んでもらえればいい」と心に誓い、プロ入りを目指して慶大に進んだ。

 大卒でのプロ入りはかなわなくても、父から伝えられた「社会人を経験してプロに行けばいい」とのプラス思考を信じた。「母にいい報告をしたいというのが一番の根幹。大学のときも母のために頑張ったし、社会人2年で絶対プロにいってやると思っていた」。そして、即戦力として広島に入団し、総合力の高さでチームに新しい風を吹かせている。

 プロ1号の記念球は名古屋の実家に贈る。「まだまだ先は長い。どんな投手に対しても、いいスイングができるように頑張っていきたい」。本塁打を含むプロ初の3安打。堅実なプレーを続けてきた中村健が、勢いに乗ってきた。(河合 洋介)

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