ヤクルト・中村 陰の主ヤクだ マルチ安打&4投手好リード「お前が本気になれ」古田氏金言胸に攻守けん引

[ 2021年11月25日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第4戦   ヤクルト2-1オリックス ( 2021年11月24日    東京D )

<ヤ・オ>勝利しハイタッチする中村(左から4人目)らヤクルトナイン(撮影・大森 寛明)
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 1点リードの9回2死二塁。ヤクルト・中村はマクガフにサインを送り、右手とミットで地面に触れた。「低く、低く」。大きく、ゆったりした動作が緊張をほぐし、安心感を与えた。

 「シーズンと変わらず打線を意識せず、バッター、バッターになりすぎず。1年間やってきたこと、投手の一番いいところを引き出そうと研究している」

 T―岡田を一ゴロに打ち取り試合終了。中村はマスクを外す。表情からは自信がみなぎる。4投手を巧みに導き、失策の1失点のみによるリレーを完遂させた。「何とかしたいと思ってリードしました」。前回の日本一翌年に入団した20年目の石川には、日本シリーズ初白星をつけた。

 中村は変わった。開幕直後の2番抜てきが、その一因だ。2番を担う青木が新型コロナ感染症の濃厚接触者となり、離脱した。代わりに指名されたのが中村。開幕5戦目3月31日のDeNA戦から6月頭まで座った。球界でもまれな「2番・捕手」だった。

 防具を装着する捕手。初回の攻守交代は「いつもバタバタでした」。初回表に攻撃の準備があるビジターゲームで、試合直前の先発投手の投球練習に最後まで付き合えないことも。だが「僕には良かった。単純に、監督に(上位打線を)任されたことがうれしくって。それで気分が乗っていけました」と笑う。

 2月の春季キャンプでも、黄金期を支えた球団OBの名捕手・古田臨時コーチから「お前が本気になれ」と金言を授かっていた。2番を託された時の心境が、まさにそれ。「自分がやらなくて、誰がやるんだという感じで。その気になっちゃいました」と今季の好スタートにつなげた。

 昨年は故障に泣き、わずか29試合の出場だった。今季はメンタル面が充実し、打撃にも、リードにも好影響。今シリーズでもオリックス打線を打率・222に抑え、打っても打率・357は堂々のチームトップ。扇の要が成長を遂げ、チームは強く、たくましくなった。(川手 達矢)

 ▼ヤクルト・高津監督(中村について)予習、復習をした結果、こういういいロースコアのゲームをできている。最後いい形で終わったら、思い切り褒めてあげたい。

 ≪古田以来捕手で打率3割狙える≫捕手で全試合フル出場中の中村(ヤ)が第1戦に続く2度目の1試合2安打。今シリーズの打率は.357までアップし、チームではオスナの.267を上回る最高になった。ヤクルトの捕手がシリーズで打率3割(規定打席以上)をマークすると、古田が97年に.316、01年に.500を打って以来20年ぶり2人目となるがどうか。なお、古田はいずれのシリーズも捕手でフル出場し日本一になっている。

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