ロッテ・石川完投でバトン!“M灯の一戦”先発・朗希「期待に応えたい」51年ぶりマジック点灯へ

[ 2021年10月14日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ8―2オリックス ( 2021年10月13日    京セラD )

<オ・ロ>2失点完投でマジック点灯を阻止し、田村(右)とグータッチをかわす石川(撮影・北條 貴史)
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 ロッテは13日、首位のオリックス戦に先発した石川歩投手(33)が2失点完投の力投で8―2の勝利を飾り、ゲーム差を1・5に縮めた。14日の直接対決第3ラウンドに勝つか、引き分ければ、1シーズン制では51年ぶりとなるリーグ優勝へのマジック「9」か「10」が2位ながら点灯する。ここまで6度のマジック点灯への挑戦はことごとく失敗。2年目の佐々木朗希投手(19)を先発に立て、7度目の正直を狙う。

 寡黙で口下手な石川が珍しく上機嫌だ。わずか97球で、18年4月17日以来となる完投勝利。「完封、そりゃあ、意識しますよ」と9回2死一塁から杉本に31号2ランを浴び、5年ぶりの完封は逃したが「いいプレッシャーの中でやれている。自分の状態が良くなかったら投げていても楽しくない。今日はしっかりと投げられて良かった」と冗舌だ。

 負ければ、オリックスに優勝マジックが点灯する崖っ縁。前夜は2―0とリードしながら8回に左腕・小島が宗の同点2ランを浴びた。痛恨のドロー。試合後、人目をはばかることなく涙を見せた後輩の姿を、33歳の先輩も見ていた。

 「小島はいい投球をしていた。自分もしっかりとゲームをつくりたいと思った」

 魂のバトンを引き継いだ。1点リードの2回1死一、三塁のピンチではT―岡田をシンカーで空振り三振。伏見をカットボールで二飛に打ち取った。「変化球が良かった。あそこから大胆にいけた」と6月に右肘手術を受けた男が、無四球で今季5勝目を飾った。

 これで優勝マジック点灯に「逆王手」をかけた。14日の天王山第3ラウンド。勝てば2位ながら、1シーズン制では1970年以来となるマジック9、引き分けでも10が点灯する。ここまでマジック点灯に6度挑戦も全て失敗。「7度目の正直」へマウンドには佐々木朗が上がる。

 対戦する両軍がマジック点灯の可能性がある大一番だ。自身初の中6日となるが、「大きな変化はない。感覚、技術面でいえば、中6日の方が感覚が残っている」と頼もしい。今季2勝はいずれも甲子園、楽天生命パークと敵地で挙げた。試合前には初めてとなる京セラドームのマウンドもチェックした。高校日本代表で同僚だった左腕・宮城と初の投げ合いへ「大事な試合を任されたので、期待に応えたい」と燃える。

 バトンをつないだ石川も大胆な予想を披露した。「朗希はずっといい投球をしているので、勝つと思いますよ」。敵地ながらスタンドは多くのロッテファンで埋まっている。51年ぶりのマジック点灯へ、役者と舞台は整った。(横市 勇)

 《引き分け以上で2位のままM9か10》2位のロッテが首位のオリックスに勝った結果、14日の直接対決の結果で、両軍いずれかに優勝へのマジックナンバーが初点灯する可能性が出てきた。オリックスが勝てば、楽天●を条件にM7、ロッテが勝てばM9、引き分けの場合はロッテにM10が出る。また、ロッテはM点灯でも2位のままだが、2位チームにマジックが出れば14年のオリックス以来になる。なお、両軍にM点灯の可能性がある直接対決は、19年9月12日の首位・西武対2位・ソフトバンク戦以来。結果はソフトバンクが勝って首位に浮上しM12を点灯させたが、その後、西武の逆転Vを許している。

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