ソフトバンク・工藤監督 30年ぶり「3完封」の屈辱 西武のエースだった30年前は逆の立場だったが…

[ 2021年10月3日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク0-6オリックス ( 2021年10月2日    京セラD )

<オ・ソ22>初回途中、4失点で降板する先発・スチュワート(左)に視線を送る工藤監督(撮影・成瀬 徹) 
Photo By スポニチ

 ソフトバンクは2日、オリックスに0―6で敗れ再び借金生活に入った。相手エース山本に今季3度目の完封を許し、二塁すら踏めず2安打。同じ投手にシーズン3完封されたのは91年以来、チーム30年ぶりだ。今季10度目の零敗で3連敗となり3位楽天とは3ゲーム差に開いた。きょう3日の先発には今季初の中4日となる千賀滉大投手(28)を指名。エースに立て直しを託す。

 またまた最大の難敵が立ちはだかった。9回2死、栗原が二ゴロに倒れるとスコアボードには9個目の「0」が刻まれた。二塁すら踏めなかった。山本に今季3度目の完封負け。今季10度目の零敗となった工藤監督は声を振り絞った。

 「あれだけの投手が良い調子で投げられたら打者も点は取れない。それでも、なんとかしないとね」

 2安打に終わった打線。同じ投手にシーズン3完封を許したのは91年以来、チーム30年ぶりの屈辱だ。くしくも西武時代の工藤公康が当時のダイエーを封じ込んだ。

 策は打ったが、不発に終わった。試合前時点で山本に対して14打数6安打、打率・428と好相性の松田を今季初の1番に起用したが無安打に終わった。2回、5回に円陣を組み対策を練ったが、6回までヒットさえ出ない。スチュワートの炎上で大量リードを与え、難敵に余裕を与えてしまう展開。「プレッシャーは少なくなってくる。だけど、なんとかしないといけない」と最後まで打線に苦言を呈した。

 これで山本との今季対戦成績は1勝5敗。来週末のオリックス戦で再び対戦することを考えれば爪痕を残したかった。3連敗で3位楽天とは3ゲーム差。クライマックスシリーズ進出も危険水域に入ってきたチームは、エースのフル回転に反攻を託すしかなくなった。 

 千賀が3日、2年ぶりの中4日で先発。前回9月28日西武戦は中5日の登板で7回途中117球を投じたが、「中4日に不安はない。投手がファイティングポーズを取り続けることがチームに姿勢を示すこと」と頼もしい。9月は4勝を挙げ、勝負の10月の初登板。「まだ諦めてないぞ、というところを見せられたら」と覚悟を決めて臨む。

 工藤監督は「その思いはありがたい。彼のためにも先に点を取って良い試合にしたい。思いに応えられるのは勝利」ときっぱり。エースの白星で連敗を止める。 (福井 亮太)

続きを表示

2021年10月3日のニュース