阪神・高橋 中日に二塁すら踏ませず2試合連続完封 球団左腕では92年湯舟敏郎以来

[ 2021年10月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-0中日 ( 2021年10月2日    甲子園 )

<神・中22> 2試合連続完封勝利の高橋はスタンドのファンに手を振る(撮影・大森 寛明)
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 阪神・高橋遥人投手(25)が2日の中日戦に先発し5安打完封勝利。球団左腕では92年湯舟敏郎以来となる2試合連続完封となった。これで9月9日ヤクルト戦の3回から27イニング連続無失点と無双状態だ。次回は中6日なら9日ヤクルト(神宮)との首位決戦。Vの使者が大一番で真価を発揮する。

 「無双」の2文字が甲子園に浮かび上がった。無四球で要した球数はわずか97。いとも簡単にゼロを並べる様は、「Vの使者」としてのあるべき姿だった。高橋が球団左腕では92年湯舟以来となる2試合連続完封。中日打線に二塁すら踏ませず、自身3連勝を飾った。

 「真っすぐは後半のほうが良かったんですけど、うまく変化球を交えながら抑えられたと思う。バックの守備にもすごい助けられて、投げやすかった」

 徹底して低めに集め、凡打の山を築いた。2回無死一塁では高橋周を遊ゴロ併殺。三振は7にとどまったが、内野ゴロは実に16個を数えた。矢野監督は「安心して見ていられた」と最敬礼。9月9日ヤクルト戦の3回から始まった連続イニング無失点は「27」にまで伸びた。

 「岩田さんは本当に気さくで、本当に話しやすい(先輩)です」

 感謝の思いを一球一球に込めていた。前日1日に岩田稔が現役引退会見。同じ左腕の先輩には、何度も助言を授けてもらった。“脱力投法”ともてはやされた昨季の終盤戦。10月5日巨人戦では130キロ台後半の直球で完投勝利を挙げたが、その時点で左肩には思うような力が入っていなかった。快投の裏で、不安が押し寄せてくる。そんなとき、親身に寄り添ってくれたのが岩田稔だった。「本当に、前向きに“まぁ気にすんな”という感じで」。救いの手を差し伸べてくれた先輩に、何としても勝利を届けたかった。

 完璧主義も成長を後押しする。2軍暮らしが続いた前半戦。ブルペンでは狙ったコースに決まるまで、ひたすら同じボールを投げ続けた。予定の投球数を超えたことも、一度や二度ではない。安藤2軍投手コーチも「(良い意味で)心配性なところがある。すごく良いボール投げてもまだまだと。欲が深い」と貪欲な姿勢を評価していた。

 予定通り中6日で回れば、次回登板は9日のヤクルト戦(神宮)となる。今季初登板だった前回対戦は4回6失点でKOされた。「最初やられているのでリベンジしたい」。シーズンの行方を左右する天王山。やり返すには、これ以上ない舞台が整った。(長谷川 凡記)

 ○…高橋(神)が初の無四球完封で3勝目。2試合連続完封は西勇が昨季9月11日広島戦と17日巨人戦でマークして以来で、左腕では92年湯舟敏郎(9月10日広島戦、16日広島戦)以来29年ぶり。投球数はわずか97。2桁投球数での完封は、秋山が10年9月12日ヤクルト戦に93球で記録しているが、左腕では山本和行が1978年7月20日広島戦に97球で達成して以来、43年ぶりの快記録だ。

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