広島・大盛 1番定着へアピールの2安打 上本、羽月らと“争奪戦”真っただ中「譲らない気持ちで」

[ 2021年10月3日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-9ヤクルト ( 2021年10月2日    マツダ )

<広・ヤ21>5回2死、大盛は右前打を放つ (撮影・奥 調)
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 「1番争奪戦」が熱を帯びてきた。2日のヤクルト戦で6試合ぶりに1番で先発した広島・大盛穂外野手(25)が、今季初の2安打に1盗塁と奮闘。2三振と課題は残したものの、野間の離脱でぼっ発した1番争いを活性化させた。打線は7点劣勢の8回に一挙4得点。意地は見せたが逆転には至らず、2連敗を喫した。

 大盛の「1番像」は見せた。初回先頭、1ボールからの高梨の直球を狙う積極性で中前打を放ち、1死後の西川の打席では果敢に二盗を成功させて長所の俊足も披露した。5回2死無走者からは初球のフォークを右前打として今季初の2安打。1番打者でも持ち前の積極性を貫いて、打線に活気をもたらした。

 「1番にしてもらった以上、自分のできることをやろうという気持ちだった。浮いてきた球は全部振りにいこうと思っていた」

 先発が固定されつつある中でも、1番打者に限っては競争が続いている。後半戦から不動の1番だった野間が下半身のコンディション不良で9月22日に抹消。その後の1番は、大盛、上本、羽月が3試合、安部が1試合とほぼ均等に先発起用されており、「1番争奪戦」がぼっ発中だ。直近3試合に1番で起用された羽月が10打数1安打に終わると、すぐさま1番が大盛に切り替わったように競争は激しさを増している。2安打1盗塁と存在感を見せても、「羽月が打たなかったからチャンスが巡ってきた。今日は最低限のことができたのかなと思う」と気を引き締め直した。

 ただ、大盛も満点回答だったわけではない。3回1死一塁では3球で空振り三振、8回無死一塁では見逃し三振に倒れた。今季32打席のうち半数近い14三振を数えるように課題は明らかだ。「追い込まれてからファウルで粘ったり、四球を選ぶところを目指さないといけない。でも、まだまだ自分ができることは少ない」。いまは、若いカウントから一発で仕留めることで弱点克服を目指している。

 7月下旬に「右手有鉤(ゆうこう)骨鉤骨片摘出術」を受けて離脱するも、野間の離脱で再び外野争いに割って入る機会が訪れた。「小園や龍馬さんが安打を打ってくれるので、(1番で出塁して)かき回すのが自分の役割だと思っている。1番は好きだし、1番を譲らないぐらいの気持ちでやりたい」。俊足巧打を存分に生かせる1番が空白のいま、大盛の将来を占う大切な残り試合となっている。(河合 洋介)

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