ダルビッシュ、今季を総括「悔しい終わり方をした感じです」

[ 2021年10月3日 05:31 ]

パドレスのダルビッシュ(AP)
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 パドレスのダルビッシュ有投手(35)が2日(日本時間3日)、サンフランシスコで会見し、今季を総括した

 ――30試合に先発、166回3分の1を投げ、8勝11敗、防御率4・22、199奪三振だった1年を振り返って。
 「オールスター後期待に添うことができなくて、最初は良かったけど悔しい終わり方をした感じです」

 ――股関節を痛めたが、オフはどうするのか。
 「そんなに悪い状態ではない。普通に休んでチームのフィジカルセラピストの人たちとリハビリをしながらもう一回ビルドアップしていく形になる」

 ――リハビリはサンディエゴ、それとも日本?
 最初の1か月はサンディエゴでリハビリをして、日本に帰ることはたぶんできないと思うので、ダラスとかアリゾナでリハビリを続けると思う」

 ――新しいチームで難しいことも少なくなかったのでは。
 「この球団の人はみんな優しくて、自分が慣れるようにいろんな努力をしてくれていた。その難しさは全く感じませんでした」

 ――前回の登板後はもう一回投げるという話だったが。
 「あの登板の翌日にもともとMRIを撮る予定で、撮ってみたら、左股関節の関節唇の損傷がちょっとあったので。7月に痛めてからだんだんアウトステップ、開きながらステップするようになっていて、だから股関節も痛くなかったんですけど、アウトステップに気づいたのが1か月くらい前で、元に戻そうとしたときにまだそこに痛みがあった。治ったと思ったのに治ってはいなかった。だからMRIを撮った。あと1個三振で、今日もちゃんと調整すれば投げられているし、あのフォームなら痛くはないんだけど、スライダーや2シームを投げるには問題があったりするので、来年のこともあるからやめようという形になりました」

 ――股関節は完治できるのか、これから付き合っていかないといけないものなのか。
 「そこはやってみないとわからない。関節唇の損傷は僕くらいの年齢の選手だと、割とみんなある。付き合っていかないといけないかどうかは、今後リハビリをして、それ次第ですね」

 ――今季の成績についてはどうか。先発で30試合を投げ切った。
 「30数試合投げるのは先発投手としては当たり前のこと。ただチームに後半大事な時に勝ちをつけられなかったとか、良くなかったことが頭に残っている。その辺をちゃんと整理したい」

 ――今年得たポジティブな面は。フィーリングに頼って投げる話もあった。
 「僕は本当に考えるタイプ。考えないようにするのが大事なんだなとか、得たものはいろいろたくさんあります」

 ――プレーオフに出られなかったが、チームとして必要なことは。 「謙虚になることが大事。春のキャンプから、期待されていたのは分かっていますけど、自分たち自身もプレーオフに行くもんだと思っていた。それが勝てなくなるとどんどん崩れていった。来年もし負け出しても、互いに声を掛け合うとか、自分なりにプランもあるので、それをちゃんとやっていきたい」

 ――7月以降、2度の負傷者リスト入りがあったが、だいたい10日間で戻ってきた。復帰を焦ってしまった部分はあるか。
 「股関節はそうでもなかったと思うが、腰に関しては、先発もいなかったので早く帰ってこなきゃというので、早かったとは思うけど、あれしか道はなかったかなと」

 ――昨季が終わった時に投手としてトップレベルが見えているという話だった。
 「前半戦数字としては出てましたけど、去年ほど良いという感覚は自分の中でなかった。前半はトップレベルの一人だったと思うんですけど、でもトップの中のトップとの差は僕の中でまた感じてはいた。根本的な体力的な部分でもそうなんですけど、今の時代トップというのは本当にすごいんだなと感じます」

 ――前半ブログで生き方のアプローチを変えたという話を書いていたが。
 「今年はツィッターもあまりやらなかった。精神的に難しい一年だった。人生においてとか、そういうところで悩んだ。今になってそれを乗り越えて、ただ言われて理解するのではなく、ちゃんと体で理解できるようになったのは大きかったかなと」

 ――6月頃、人間として成長できているという言葉があった。
 「去年最多勝を取って、みなさんに褒めてもらえることで、それが今年の精神的な困難のきっかけだった。すごいと言ってもらえるけど、本当の意味ですごいのかなとか、そこですごく迷ってしまった。6月、7月くらいは精神的に大変だったけど、人生で見たら大事な2、3か月だったのかなと」

 ――今年怪我をしたのは、去年、コロナで通常のシーズンを送れなかった影響があったからと思うか。
 「実際のところは分からないが、5月くらいから若干股関節の張りはあった。ただ今季は打撃をしないといけない。去年はしなかったが今年は本格的にやらないといけないので、ちょっとそこはあったのかなと。年齢もあるんでしょうけど無理して打撃を頑張った部分で、特に僕はもともと股関節周りが固い」

 ――トップ中のトップとの違いとは。
 「体力的にも筋力的にも強い。マイナーを経験しているのもあってタフですね。根本的な体の強さや精神的な強さは感じます」

 ――来季に向けて、どんなトレーニングがしたいか。
 「自分は筋量が低下すると、けがにつながることが多い。今年は特にけがをしてから重いウェイトを使ったトレーニングができなくて、どんどん筋力も筋量も落ちていった。一回まずそこをしっかり戻すということです」

 ――精神的に難しいのを乗り越えられたのは。
 「妻や子供たちがずっと家にいて、自分が精神的にどうであれ、どういう結果であれ、関係なく僕のことを支えてくれた。妻に関しては自分の話をいつも聞いてくれていた。7月あたりは自分の中でネガティブしかなかったので、それ以上のポジティブで支えてくれていたので、だから僕は今ここにいるのだと思う」

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