限界突破の152キロ、筑波大の左腕・佐藤隼輔にスカウト「和田毅に似ている」

[ 2021年9月11日 21:57 ]

首都大学リーグ 開幕戦   筑波大1―1東海大 ( 2021年9月11日    バッティングパレス相石スタジアムひらつか )

自己最速の152キロを計測した佐藤(撮影・柳内 遼平)
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 首都大学リーグに所属する筑波大のエース左腕・佐藤隼輔投手(4年)は11日、東海大との秋季リーグ開幕戦に先発し、3回1/3を3安打無失点。12球団21人のスカウトの前で5三振を奪ったが、4回途中で負傷降板し、川村卓監督は「右腹部の筋肉の肉離れじゃないかと思います」と説明した。

 10月11日のドラフト会議まで1カ月。佐藤は51球しか投じることができなかったが、春より進化した姿でスカウト陣をうならせた。

 春季リーグは140キロ台前半から中盤の直球とスライダー、チェンジアップで打者の狙いを外し、要所で140キロ後半まで直球のギアを上げる組み立てだった。

 だが、この日はプレーボールから8球直球を続け、2番打者には3球連続で149キロを計測するなど初回からエンジン全開。3回2死二塁では自己最速を1キロ更新する152キロを計測し、最後は151キロの直球で見逃し三振に斬った。

 4回途中で降板となったが、小さくまとまった春より、力でねじ伏せるスタイルにスカウト陣も高評価。広島・苑田聡彦スカウト統括部長は「球場では初めて見たが、瞬時に(ソフトバンク)和田毅に似ていると思った。(152キロの)数字だけではなく、直球に切れも伸びもある。(ドラフト1位の)12人の中に入ってくると思います」と絶賛。春にはスカウト陣から出なかった「12人入り」の評価が与えられた。

 投球フォームの修正が力強さにつながった。春季リーグ終了後は川村監督と好調だった1年秋のビデオを見直し、上体が三塁側に傾くクセを修正。「体から手が離れやすかったので、そこを直した。その結果、ボールが抜けなくなりました」と指揮官は出力アップの要因を挙げた。

 「筑波大に来たときから1位指名を目指すと決めている。これは揺るがない目標」と夢を持つ左腕は「4回途中で負傷降板」以上のインパクトを残した。(柳内 遼平)

 ◇佐藤 隼輔(さとう・しゅんすけ)2000年(平12)1月3日生まれ、宮城県出身の21歳。小4から野球を始める。広瀬中を経て、仙台高では1年夏からベンチ入りも甲子園出場は果たせず。筑波大でも1年春からベンチ入り。19年に大学日本代表に選ばれた。1メートル81、82キロ。左投げ左打ち。

 ▼西武・渡辺久信GM 左投手でバランス良く投げることができる。150キロ以上のボールもあり、上位で(指名が)来る。
 ▼ロッテ・榎康弘アマチーフスカウト 丁寧に投げている。序盤は外角中心で後半は内角を使って、投球の幅が広い。(右打者に)クロスに入ってくるボールが良かった。

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