エンゼルス大谷103年ぶり扉開く!10勝目懸けアストロズ戦先発 ルース以来「2桁勝利&2桁本塁打」へ

[ 2021年9月11日 02:30 ]

エンゼルス・大谷(撮影・沢田 明徳) 
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 歴史的瞬間を見逃すな!エンゼルス・大谷翔平投手(27)が10日(日本時間11日午前9時10分試合開始)、10勝目を懸けて敵地でのアストロズ戦に先発する。勝てば1918年のベーブ・ルース(レッドソックス)以来103年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成。ア軍戦は過去4試合に投げて未勝利だが、メジャー屈指の強力打線相手に新たな歴史をつくる。

 1918年。第1次世界大戦が終結し、日本は大正7年だった。スペイン風邪が世界的に大流行した年にベーブ・ルースが成し遂げた2桁勝利&2桁本塁打。103年の時を経て、大谷が歴史の扉を開ける瞬間が来る。

 今季21試合目の先発マウンド。2桁勝利の大台へ大谷は「そういう数字も大事。大きな違いかなと思う」と大いに意識する。「2桁勝利&2桁本塁打」は日本ハム時代の14、16年と2度達成したが、メジャー初のダブル達成は注目度も桁違いになる。

 投手としては8連勝中の右腕にとって、ア軍戦は通算4試合で0勝1敗。一見、相性は悪いが万全での登板は少なかった。初対戦はメジャー1年目の18年4月24日。5回1/3を6安打4失点だったが、直前の登板で右手中指のマメが悪化していた。同年9月2日は、右肘のじん帯損傷から約3カ月ぶりの復帰登板。腰の張りと右手薬指に打球が当たった影響など2回1/3でマウンドを降りた。昨年8月2日は1回2/3で降板。トミー・ジョン手術を受けた右肘の違和感を訴え、翌日に全治4~6週間の屈筋回内筋痛が発表された。

 体調面で不安がなかった今年5月11日は、同じ敵地で7回1失点、10奪三振の好投。白星には届かなかったが、登板後は右翼に入り、1900年以降、史上3人目の2桁奪三振からの野手出場を果たした。ア・リーグトップのチーム打率・267を誇る強力打線だが、いいイメージは持っている。

 休養も十分だ。この日は試合がなく、欠場した8日のパドレス戦と合わせて2日連続の休養。今季2日続けて試合出場がなかったのは4月17、18日、6月1、2日とオールスター期間の7月14、15日以来4度目だった。100マイルを連発して9勝目を挙げた3日のレンジャーズ戦後は「なかなかモチベーションを高く維持するのが難しい。一試合一試合、大事にやっていきたい」としたが、心配された疲労の回復に充てることができた。

 すでにメジャートップの43本塁打。本塁打王争いではブルージェイズ・ゲレロらに1本差と迫られたが、もう一つの翼がある。全米の、そして日本からの大きな注目を浴びるマウンドで、新たな歴史を刻むことになる。

 ≪1918年のB・ルース≫デビュー5年目でレッドソックスの中心投手だったルースは、前年までは投手か代打のみで野手出場なし。この年の5月から、登板の合間に一塁や外野で起用されるようになった。投手としては20試合に登板し、18試合に完投するなど13勝7敗。打っては95試合の出場(登板時含む)で、自身初の2桁となる11本を放ち本塁打王を獲得した。ルースの本格的な「二刀流」は、この年と翌19年(9勝、29本塁打)の2年間だけ。20年のヤンキース移籍後はほぼ野手に専念し、当時大リーグ歴代最多(現在3位)の通算714本塁打など数々の大記録を残した。

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