阪神・西勇の恩師が150勝太鼓判 菰野高・戸田監督「十分に可能。秘めた闘志、負けん気は人一倍強い」

[ 2021年9月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー1広島 ( 2021年9月10日    マツダ )

菰野高校の戸田直光監督

 高校時代の阪神・西勇を指導した菰野高(三重)の戸田直光監督(59)が教え子の節目の勝利に本紙へ祝福メッセージを寄せた。在学時の思い出を振り返り、次の目標として150勝到達に期待した。

 素晴らしい記録、誇らしく思います。開幕日にLINEをくれましたね。“あと5勝で100勝です。その時は見に来て下さい”と。移籍3年目にかける決意を文面から感じていました。

 高校入学時は身長1メートル80弱、体重は65キロほど。細かったけど、苦手な走り込みもこなしながら80キロまで増やしましたね。西のお弁当をのぞき込むと、色とりどりのおかずが並んでいて、感心したのを覚えています。栄養バランスを考えてつくってくれた母親にも感謝しないといけません。

 ある日のブルペンでのこと。背もたれのない壊れたパイプ椅子をホームベースの前に置き、投球練習を始めた時には驚きました。制球力を磨くために自ら考えたメニューとはいえ、球を受ける捕手が気の毒でした。ベース板の四隅を突く精密な制球力は、鍛錬のたまものでしょう。

 今も脳裏に浮かぶのは08年夏の三重決勝・宇治山田商戦です。最速153キロの平生投手との投げ合いに勝ち、菰野を2度目の甲子園出場へ導いてくれました。内に秘めた闘志と勝ち気、負けん気は人一倍強い。前年の07年夏の決勝で完封負けした相手に雪辱した力投は忘れられません。

 私の下から計8人がプロの世界へ羽ばたきました。広島の田中法彦、中日の岡林勇希も頑張っているし、現役部員の励みです。次の目標は150勝かな。シーズンオフ、私のゴルフの誘いを簡単に断るほど野球にストイックな君のことだから、十分に可能な数字でしょう。(菰野高校野球部監督 戸田直光)

 ◇戸田 直光(とだ・なおみつ)1962年(昭37)8月20日生まれ、愛知県出身の59歳。大府高、大体大では外野手として活躍。85年4月から弥富高でコーチを務め、87年4月から菰野高の野球部監督に就任。甲子園は05年と08年の夏、13年春に出場。西勇輝ら計8選手をプロへ送り出す。保健体育教諭。

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