阪神・西勇 や~っと100勝!2カ月半かかったけど「まさか自分が。感謝を感じられた1勝」

[ 2021年9月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー1広島 ( 2021年9月10日    マツダ )

<広・神(17)>通算100勝を達成して笑顔の西勇(撮影・大森 寛明)
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 阪神・西勇輝投手(30)が10日の広島戦で通算100勝を達成した。8度目の挑戦で5回1失点の粘投。6回に自らへの代打だったジェリー・サンズ外野手(33)から決勝打の援護を得た。約2カ月半に及んだトンネルをついに抜け、両リーグ最速の60勝到達に貢献。2位に約2カ月ぶりの3ゲーム差をつけた。

 大台に王手をかけてから8試合目。西勇は計784球を投じてやっとつかんだウイニングボールをスアレスから受け取った。バッテリーを組んだ梅野と笑顔で抱擁。通算100勝目をかみしめた。

 「今までいろんな勝ちがありましたけど、まさか自分が100勝まで勝てると思っていなかった。大きなけがもなく、無事に来ることができて、まずは両親に感謝したい。今まで関わってきてくれた裏方さんやチームメート(の支え)にも感謝を感じられた1勝だと思う」

 我慢の投球が実を結んだ。先制直後の初回は1死満塁から坂倉の右犠飛で同点を許した。なお2死一、三塁で松山を二ゴロ。最少失点でしのいだ。6敗を喫した7試合の間は6試合で先制を許し、8月27日の広島戦では2点の援護を守り切ることができず逆転負けを喫した。今回は同点から踏ん張った。

 5回は先頭の大瀬良に与えた四球から1死二、三塁。西川を左飛に抑え、鈴木誠との勝負は避けて申告敬遠で塁を埋め、坂倉をシュートで遊飛に仕留めた。5回1失点の粘投。直後の攻撃で勝ち越し点が入り、勝利投手の権利を得た。

 白星から遠ざかった約2カ月半。自宅では映画観賞でリフレッシュし、日課のランニングでは大阪城、住吉大社など大阪の名所を回るなどして願掛けした。“原点回帰”に導いてくれたのは息子の言葉だ。「パパ、楽しそうじゃないよ」。試合で投げる姿をテレビ画面越しに見た素直な感想に気付かされた。

 「自分で自分を苦しめていた部分もあった。改めて、もう一度、楽しんでプレーしてみようと思えた。言ってくれた息子にも感謝したいですし、みんなが声をかけ続けてくれたおかげで、立ち直ることができた」

 長いトンネルを抜け出した夜、何度も周囲への感謝を繰り返した。「ここからチームに貢献できるように、一つ一つ大事に投げていきたい」。もう迷いはない。16年ぶりリーグ優勝を目指す勝負の秋をしっかり見据えた。(長谷川 凡記)

 ○…西勇(神)が6月18日の巨人戦以来8試合ぶりの勝利で通算100勝に到達。プロ野球140人目で、平成生まれでは20年菅野(巨)に続く2人目。初勝利はオリックス時代の11年4月17日の楽天戦。阪神在籍中の到達は18年能見(現オ)以来3年ぶり18人目で「あと1勝」から6連敗の足踏みは、81年の小林繁(80年に99勝目)に並ぶチーム最長。全体でも50年川崎徳次(西鉄)の7連敗に次ぐものとなった。また、100勝のうち99勝が先発勝利で、過去84人の先発100勝に王手をかけた。

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