ソフトB・三森 執念9回2死から同点打 鷹の“パワースポット”札幌Dで無敗継続12戦

[ 2021年9月11日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク4ー4日本ハム ( 2021年9月10日    札幌ド )

<日・ソ18>9回2死二、三塁、三森の中安打で生還した上林を出迎えるベンチの選手ら(撮影・高橋茂夫)
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 北の大地では負けない!ソフトバンクは10日、日本ハムに4―4で引き分けた。1点を追う9回に三森大貴内野手(22)の適時打で追い付いた。札幌ドームでは昨年9月16日から12試合無敗となった。6回までに3―0とリードしたが7回に繰り出した4投手が痛打を浴び4失点。敗色ムードの展開も験のいい“パワースポット”で粘りを見せ、今季18度目のドローに持ち込んだ。

 土壇場で食らい付いた。食い下がった。北の大地には“不敗の女神”がいる。昨季9月16日から札幌ドームでは10勝2分けと、12戦連続負けなし。工藤監督は息を切らし、冷や汗交じりで会見場に到着するなり「何といっても負けなかった。三森がよく打った!」と叫んだ。

 敗戦濃厚の3―4の9回。相手4番手のB・ロドリゲスが制球難とみるや、細かく付け込んだ。先頭から連続死四球で一、二塁。職人・今宮が初球に犠打を決める。1死二、三塁。牧原大が倒れ2死になったが、三森が初球153キロツーシームを迷わず強振した。

 「つないだチャンスだったので何としても追い付くんだとの気持ちだけでした」

 中前へこの日、3安打目となる執念の同点適時打。9回は帰ってきた守護神の森が締めて、痛み分けに持ち込んだ。

 先発のマルティネスは6回4安打無失点と申し分ない好投。しかし、3―0の7回。継投が裏目に出た。板東が2死一塁で佐藤に適時二塁打を浴びた。続く同二塁で近藤の場面で左キラーの渡辺雄を投入も右前適時打。1点差とされ田中にスイッチしたが、1死も取れずに安打と四球で交代。2死満塁で古谷が浅間に逆転打を許した。

 「できることを100%出そうと全力で腕を振ったが、うまくいかなかった。次で取り返したい」と田中。古谷も「勝てる試合だったのに。自分のせい。すごく悔しい、申し訳ない」と悔やんだ。1イニングに4人をつぎ込むも、残り一つのアウトが取れずに一時逆転される苦境を三森が救った。工藤監督は「勝っているゲームは本当に難しいね。打たれたのは僕のミス。申し訳ない。“何くそ”と思って次、投げてほしい」と責任を負った。

 首位を争うロッテ、オリックスがともに勝つ中で執念のドロー劇。「思い通りにはいかないけど、モイネロも帰ってくる。辛抱して戦う」。首位とは何とか4・5ゲーム差に踏みとどまった。今が、最大の耐え時だ。(井上 満夫)

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