高知・森木大智を視察のプロ6球団スカウトが絶賛!5回2/3を10三振の“完全”救援

[ 2021年7月23日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権高知大会2回戦   高知8-1宿毛工(8回コールド) ( 2021年7月22日    春野 )

<高知・宿毛工>3回途中、2番手で登板した高知・森木は5回2/3無失点の好投を見せる(撮影・後藤 大輝)
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 第103回全国高校野球選手権大会(8月9日開幕、甲子園)の出場権をかけた地方大会が22日、各地で行われた。高知大会では今秋ドラフト上位候補で最速154キロ右腕の高知・森木大智(3年)が初戦となる宿毛工戦に救援登板。5回2/3を投げ、一人の走者も許さない快投を演じた。

 感想と結果は、対照的だった。それだけ求めるところが高いということだ。「良かったところはないです」。渋い表情で振り返ったのとは裏腹に、高知・森木は夏初戦を“パーフェクト救援”で快調に滑り出した。

 「チームに流れがいけばいいと思っていました。真っすぐの中でも緩急は使えました」

 ブルペンでは肩をつくっていたが、序盤は押され気味の展開。想定外に早い登板だったが関係ない。両校スコアレスの3回1死二、三塁から救援登板。先頭に中犠飛を浴びて先制こそ許したが、それ以降は独壇場だった。相手打線の直球狙いを読み切り、カーブを軸に変化球主体の投球を展開。最速は149キロにとどまるも、直球に10キロ超の球速差をつけて打者を惑わせ、10三振を奪った。5回2/3を投げて自身では一人の走者も許さず、最後までマウンドを守った。

 自己採点は辛くとも、視察した6球団のスカウトは賛辞を並べた。阪神の山本宣史スカウトは「森木は馬力があって直球が強い。どちらがいいということではなく(市和歌山)小園とは、また違う長所がある」と評価。広島の白武佳久スカウト部長も「彼を推さなかったら担当じゃない」と絶賛した。

 理想は、果てしなく高い。「バットにすら当たらない、打つ気にもならないという、相手が何もできない状態が理想」。だから、この日も相手ベンチから「打てる、打てる!」と声が出ていた時点で「まだまだ」と言う。「1球目、初回、初球など“1”という数字を大切にしていきたい」。目指すのはまだ見ぬ甲子園と日本「一」のみ。最後の夏にかける逸材の心意気は、半端じゃない。(北野 将市)

 ◇森木 大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日生まれ、高知県土佐市出身の18歳。蓮池小1年からソフトボールを始め、3年から軟式の高岡第二イーグルスでプレー。高知中では3年時に全日本少年春季軟式野球大会と夏の全国中学校軟式野球大会で優勝。軟式球で最速150キロを計測。1メートル84、82キロ。右投げ右打ち。

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