球宴で心震えた「東北の代表」野球少年の言葉 子どもたちは希望そのもの

[ 2021年7月23日 09:00 ]

「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦で始球式を行う大崎ジュニアドラゴンの斎藤蒼悟さん(撮影・尾崎 有希)
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 心が震えた。「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦(7月17日、楽天生命パーク)。仙台で球宴が開催されるのは、東日本大震災が発生した2011年以来だった。球界を代表するスター選手たちのプレーはもちろん素晴らしかったが、より深く記憶に刻まれたのが試合前の行われた復興支援セレモニーでのスピーチだった。

 宮城県の学童軟式チーム・大崎ジュニアドラゴンの斎藤蒼梧(そうご)君が「東北の代表」として、憧れの全セ・パ両軍の選手の目の前でハキハキと感謝のメッセージを届ける姿に、思わず涙がこぼれそうになった。

 「大きな出来事から10年。全国のみなさまに支えられ、心の底から野球を楽しんでプレーできるようになりました。全国のたくさんのご支援をくださったみなさん、東北はこんなにも強く復活しました。10年後、今度は僕たちがこの夢の舞台に立って勇気や感動をお届けできることを目指します」

 斎藤君は当時1歳だった。震災の記憶はなくとも、ご家族の教えや学校での学習、地域の人たちから伝え聞いたものをしっかりと理解しながら大きくなったのだろう。それがよく伝わるスピーチは、選手たちの胸にも突き刺さった。

 決勝打を含む3安打3打点の活躍で初出場ながらMVPを獲得した楽天・島内が「ぐっとくるものがありましたね。自分たちも頑張らないといけないと思った」と振り返れば、9回を締めくくった楽天・松井も「あのスピーチは、僕も含めて多くの選手が心にくるものがあった」と感想を口にした。

 被災地に暮らす人たちは、震災後も癒えることのない傷を抱えながら力強く営みを続けてきた。「もう10年」なのか「まだ10年」なのか――。それぞれの立場や視点よって解釈は違うだろう。復興にゴールはないが、未来の担い手である地域の子どもたちは希望そのものだ。斎藤君の言葉や、スタンドで目を輝かせていた少年少女の笑顔に東北の「底力」を感じずにはいられなかった。(記者コラム・重光 晋太郎)

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