山口俊、巨人復帰も 米2年目、ジャイアンツ傘下で不遇…退団意向伝えた

[ 2021年6月3日 02:30 ]

巨人時代の山口俊
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 ジャイアンツ傘下3Aサクラメントの山口俊投手(33)が退団の意向を伝えたことが2日、分かった。山口は2月にブルージェイズを自由契約になり、直後にジャイアンツとメジャー昇格を視野に入れたスプリット契約を締結。今季はマイナーで5試合(先発4)に登板し、0勝3敗、防御率6・17だった。帰国が正式に決まれば、メジャー移籍前に所属した巨人が入団交渉に入るとみられる。

 不遇の状況が続く山口が大きな決断を下した。米球界関係者はスポニチ本紙の取材に「山口は近いうちに日本に帰国することになった」と明かした。1日(日本時間2日)のマイナー戦登板後に球団に退団の意向を伝えたもようだ。

 山口は19年オフに巨人からポスティングシステムを利用し、2年総額635万ドル(約6億9900万円)でブルージェイズに移籍。今季もキャンプ直前にはSNSで「自分の選択に悔いが残らないようにチャレンジしていきます」とつづっていた。しかし、直後にブ軍を自由契約となり、2月下旬にジャイアンツとマイナー契約。オープン戦でも好成績を残したが、ナ・リーグ西地区首位のジ軍先発陣は層が厚く、ここまでメジャー昇格のチャンスは訪れていない。

 今季は白星こそないが、マイナーの週間MVP(5月17~23日)を受賞するなど状態は良い。自身も現状を打破したい思いもあるだろう。ジ軍も山口の意向を尊重し、自由契約とする見通しだ。

 山口が帰国を決断すれば、古巣の巨人が交渉に乗り出すとみられる。移籍後、1年間は「背番号11」を空き番にし、オフには川崎市のジャイアンツ球場など球団施設での自主トレを認めるなど良好な関係を続けている。

 巨人の先発陣はエースの菅野が右肘違和感で離脱中で、期待された畠が不調から中継ぎに回るなど人員不足。この日は守護神デラロサが左脚の違和感で出場選手登録を抹消されるなど、中継ぎを含めた投手陣の整備が急務だ。山口は19年はリーグ最多の15勝で5年ぶりのリーグ制覇に貢献。最高勝率、最多奪三振と合わせて「投手3冠」に輝いた。DeNA時代には抑えの経験もあり、補強ポイントと完全に合致する。

 山口にとっては19年オフに、球団史上初めてポスティングシステムを利用しての米移籍を認めてもらった恩義がある。巨人は帰国後に速攻でアタックするとみられ、2年ぶりに「巨人・山口」が誕生する可能性は十分だ。

 ≪3Aで先発、5回4失点≫山口は1日(日本時間2日)、アスレチックス傘下3Aラスベガス戦に先発。5回を投げ、6安打4失点、3三振2四球で勝敗はつかなかった。3Aではここまで5試合に投げて0勝(3敗)、防御率6・17だが、5月22日のリノ戦では先発し6回1/3を1安打2失点(自責点0)、9三振とほぼ完璧な投球を披露。この週の3Aウエストの週間MVPに選ばれた。

 ◆山口 俊(やまぐち・しゅん)1987年(昭62)7月11日生まれ、大分県出身の33歳。柳ケ浦では1年夏、3年春に甲子園出場。05年高校生ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)入団。12年には史上最年少で通算100セーブ。14年途中から先発を務め、16年に11勝を挙げ球団初のCS進出に貢献した。同年オフに巨人にFA移籍し、18年には史上79人目のノーヒットノーラン。19年オフにポスティングシステムでブルージェイズへ移籍。今年2月に自由契約となり、ジャイアンツとマイナー契約を結んだ。1メートル87、98キロ。右投げ右打ち。

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