大野豊氏 広島・栗林は技術と精神力を兼ね備えた絶対的守護神 まだまだゼロを並べてほしい

[ 2021年6月3日 05:30 ]

交流戦   広島3-0日本ハム ( 2021年6月2日    マツダ )

<広・日>ウイニングボールを手に勝利のあいさつをする広島・栗林(中央) (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 【大野豊 視点】栗林の開幕からの連続試合無失点が自身の背番号と並んだ。150キロ超の直球を投げる投手は、得てして変化球の制球がアバウトになりがちだが、彼の場合は全球種を自分の配球の中で操れるし、打者に的を絞らせない球を織り交ぜられるのが強みだ。ここぞの勝負球もミスなく投げ切れるから、クローザーは適任と言えるだろう。

 技術だけではない。この連続無失点は、メンタルのタフさにボールの質が備わっているからこそ。20試合のうち9試合はセーブシチュエーション以外での登板だが、そうした場面でも抑えている。栗林が出てきたら負けない…という安心感を、野手陣に与えられるのは大きい。まだまだゼロを並べてほしい。

 先発の野村は、もう少し大胆に攻めていい場面でも慎重になりすぎ、カウントを悪くして失点するケースが少なくない。その傾向はこの日も見られたが、走者を出しながらも粘り腰を発揮して無失点で投げ切れたのが大きい。栗林ら4人の救援を含め、投手陣のつくったリズムが勝利に結びついた試合だった。

続きを表示

2021年6月3日のニュース