井納争奪戦 巨人、交渉2番手も猛アピール60分 2年2億円と伝統の21番用意

[ 2020年12月7日 05:30 ]

画伯王決定戦でDB.キララを描き勝利した井納。左は武藤、右は桜井(撮影・島崎忠彦)
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 プロ野球は6日、フリーエージェント(FA)宣言選手との交渉期間がスタート。国内FA権を行使したDeNA・井納翔一投手(34)に対し、巨人とヤクルトが都内で即日アタックを敢行した。梶谷隆幸外野手(32)との「W獲り」を狙う巨人は交渉の一番乗りこそヤクルトに譲ったが、2年総額2億円に加え、多くの好投手が背負ってきた背番号「21」を用意したとみられる。ヤクルトも同額の条件に加え背番号「15」を提示した。

 ヤクルトとの交渉を終えた約30分後の午後6時45分。井納は別の都内ホテルに姿を現した。スーツ姿で、駐車場からさっそうと巨人との交渉の場に歩を進める。会談時間はヤクルトの約30分を超える約1時間。帰り際には「(2球団と)いい話ができた。しっかり考えたいと思います」とだけ語った。

 ヤクルトに一番乗りこそ譲ったが、井納への即日アタック。巨人は編成実務のトップである大塚淳弘球団副代表・編成担当が交渉の席に着いた。席上では2年総額約2億円に加え、背番号「21」を用意する方針を伝えたとみられる。今季限りで現役を引退した日米通算170勝の岩隈が2年間背負っていた番号。かつては高橋一三や宮本和知(現投手チーフコーチ)らが背負うなど格式ある番号だ。

 井納本人は現在の背番号「15」に愛着はあるものの、こだわらない姿勢も見せている。新天地で新背番号となれば、本人にとっても心機一転。チームにとって伝統のある「21」の用意は、13年のDeNA入団から優勝経験のない井納に対して“3年連続リーグ制覇のために経験豊富な右腕の力が必要”という熱意を意味するだろう。

 今季は2年連続で日本シリーズでソフトバンクに4連敗。高い壁を撃破して日本一を奪還するため、計算できる先発投手の増員は最優先課題だ。今季チームトップの14勝を挙げたエースの菅野は残留する選択肢も持った上で、メジャー球団との交渉も可能とするためポスティングシステムを利用。駒不足の解消は急務となっている。

 原監督は日本シリーズ終了後に「まだ公示されていないわけだからね。ルール上、今私がああだこうだ言うのは不適切」とコメントを避けたが、いよいよFA選手の争奪戦が始まった。もう一つの補強ポイントである外野手のDeNA・梶谷とも近日中に交渉の場を設ける見込み。DeNAの投打の主力ダブル獲りに全力を尽くす。

 ▽巨人の背番号21 初代は36~38年の三原修(内野手=のちに脩)。投手ではV9時代に左腕エースとして活躍した高橋一三が67~75年、同じ左腕では91~97年宮本和知(現投手コーチ)がいる。右投手では藤田元司が57年、堀内恒夫が66年と入団1年目だけつけた。その後は76~90年加藤初、98~02年趙成珉、03~06年木佐貫洋、19~20年岩隈久志が右腕で複数年背負った。

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