新庄剛志氏は3打数1安打1四球 守備に“仮想”ファンサービス… 全力で戦い抜いたトライアウト

[ 2020年12月7日 14:06 ]

<トライアウト>トライアウトを終え、笑顔でサムアップする新庄氏 (撮影・白鳥 佳樹)
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 戦力外となった選手らを対象とした12球団合同トライアウトが7日、都内で行われ、阪神や日本ハムで活躍し、メッツなど大リーグでもプレーした新庄剛志氏(48)も参加した。背番号1の日本ハム時代のユニホーム姿で登場した新庄氏は、4打席に立ち、二ゴロ、四球、二ゴロで最終打席で左前打を放った。

 すべてカウント1-1からの対戦だった。

 第1打席は広島を戦力外となった右腕、平岡敬人投手との対戦。初球の外角の143キロ直球をとらえたが、芯でとらえられずに二ゴロに倒れた。17年ドラフト6位の平岡は今季、ウエスタン・リーグで16試合に登板、1勝1敗、防御率9.35。今季1軍登板はなかった。

 第2打席は阪神を戦力外となった右腕、高野圭吾投手の対戦となったが、3球連続ボールで、1球もバットを振ることなく四球。悔しそうな表情を浮かべた。

 第3打席は、日本ハムを戦力外となった吉田侑樹投手相手に、カウント1ボール2ストライクから、外角の143キロをとらえたが、二ゴロ。それでも全力疾走をみせた。吉田侑は今季は1軍で5試合に登板。防御率4.26だった。

 最終打席となった4打席目は、ヤクルトを戦力外となったジュリアス投手と対戦。初球はファウル、カウント1ボール2ストライクとなったが、チェンジアップを左前に運んだ。走者は一、二塁にいたため、吉川大(巨人)が生還。「タイムリー安打」となった。

 時間を無駄にすることはなかった。シートノックでは、三塁のポジションに入って華麗なスローイングを披露。1打席目と2打席目の間には一塁、そして三塁、二塁の守備に入った。さらに2打席目の後にはブルペンで投手の球を見るなど、目慣らし。そして第4打席目の前には中堅の位置に向かい、この日は無観客だったが、バックスクリーン右へファンサービスをイメージするかのように、ボールを投げ入れた。

 48歳の挑戦だった。新庄氏は日本ハムの日本一に貢献した06年以来のNPB復帰を目指している。06年限りで引退し、10年からインドネシアのバリ島に移住していたが、昨年11月に自身のインスタグラムで、現役復帰の意向を表明。動画で「みんな、夢はあるかい。1%の可能性があれば、必ずできる。きょうからトレーニングを始めて、もう一回、プロ野球選手になろうと思います。みんなも何か挑戦しようぜ」と語りかけた。その言葉通り、今年夏に国内に戻り、トレーニングを重ねてきていた。9月下旬には阪神時代に指導を受け、唯一の打撃の師として全幅の信頼を寄せる柏原純一氏とタッグを組んで練習を行ってきていた。

 スター性は十分。この日、非公開となった球場外では「新庄コール」も起きた。あとはネット裏の陣取った各球団のスカウト陣がどんな評価をくだすか、だ。
 

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