オリックスの“つっぱり”大下 史上初の勲章弾 記念球は脳内出血からリハビリ中の父・一雅さんに

[ 2020年9月16日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス5-1楽天 ( 2020年9月15日    ほっともっと神戸 )

<オ・楽(13)> 楽天に勝利し、笑顔の大下(右) (撮影・平嶋 理子)                                                     
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 でっかい勲章を手に入れた。大下誠一郎。前日に支配下登録されたばかりのオリックスの若武者は、初のお立ち台での出身地・北九州の方言も初々しい。一本気な九州男児。そんな男の裏表のない言葉に神戸のファンも一気に笑顔になった。

 「素直にうれしい。もっともっと頑張らないけんなちゅうふうに思いました。(実は)足、めっちゃ震えてた。正直、打球が低すぎて入ったっち思わんかったです」

 初スタメンで初打席。同点の2回1死一、三塁で辛島の直球を振り抜いた。低いライナーが初安打初本塁打となって左翼席へ。1メートル71、89キロのずんぐり体形を揺らし、両手をゆらゆらとさせながら大喜びでホームイン。育成ドラフトで入団した選手の初打席初アーチはプロ野球史上初だ。

 「とにかく1球で仕留めようと。気持ちで打った」。中学時代からやんちゃだったが、仲間思いで男気あふれる好漢。成人式には13万円のど派手なはかまにリーゼント姿で出席し、地元テレビに取材されたこともある。「自分らしい」と入団時から決めていた登場曲は、同じくリーゼント姿で有名な嶋大輔「男の勲章」。♪つっぱることが男の~、のフレーズで知られる歌に乗り、「つっぱりスイング」でファンを酔わせた。

 「記念のボールは親父に。毎日“支えてやろう”と思って野球をやっているので」。父・一雅さんは15年の脳内出血から懸命のリハビリを続けている。チームの連敗を3で止める勲章の初アーチ。何よりの激励になった。

 95年のリーグ優勝から25年。この日は往年のブルーウェーブの復刻ユニホームでプレーした。97年生まれでチームの優勝を知らない大下は背番40のユニホームが間に合わず、山岡洋之打撃投手の「102」を借りて出場した。「(学生時代は)ツッパリではないです」。そう言って笑った大下。「イチロー」や「パンチ」のような、新たなキャラクター誕生を予感させた。

 ◆大下 誠一郎(おおした・せいいちろう)1997年(平9)11月3日生まれ、福岡県出身の22歳。白鴎大足利では2年春の甲子園1回戦の東陵戦で1試合4二塁打の大会新記録。白鴎大を経て昨年の育成ドラフト6位でオリックス入りし、今月14日に支配下登録された。ウエスタン・リーグ58試合で打率・219、2本塁打、21打点、1盗塁。1メートル71、89キロ。右投げ右打ち。

 《“初打席弾”は史上66人目》ルーキー大下(オ)が2回に初打席本塁打。初打席本塁打は19年コラス(ソ)以来プロ野球66人目。チームでは84年村上信一、91年シュルジー、97年福留宏紀、00年ナナリー、03年オーティズに次ぐ17年ぶり6人目で、新人では初めてとなった。また、プロ野球で新人の初打席本塁打は18年村上(ヤ)以来22人目。なお、大下は育成出身。育成経験者の初打席本塁打は11年森田一成(神)、17年バティスタ(広)、18年マルティネス(巨)、前記コラスに次ぐ5人目。こちらも新人では初めてだ。

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