阪神・近本 菅野からの2打席連発は2人目 矢野監督「素晴らしい」

[ 2020年9月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-6巨人 ( 2020年9月15日    東京ドーム )

<巨・神(14)>5回1死、近本は2打席連続となる右越えのソロ本塁打を放つ(投手・菅野)(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 俊足巧打のリードオフマンが“アーチスト”と化した。2―2の5回1死。阪神・近本が振り抜いた当たりは、きれいな弧を描いて右翼席中段に飛び込んだ。3回の4号に続く5号で2年目にして初の2打席連続本塁打を記録。2度目の勝ち越し弾を浴びせた菅野も苦笑いを浮かべるしかなかった。

 「前の打席と同じようにコンパクトにスイングすることを強く意識して打席に入った。遥人(高橋)も頑張っていたし、同点に追いつかれた直後だったので、良かった」

 リードしては追いつかれる展開で意地を見せた。1―1の3回2死では高めに来た直球を右翼席上段まで運んだ。8月29日広島戦以来、14試合、57打席ぶり一発が号砲となり、5回はスライダーを仕留め、球場をどよめかせた。

 菅野からの本塁打は初めて。しかも、1試合で2本を重ねた。今季で8年目を迎える菅野が2打席連続本塁打を許したのは16年7月28日の広島・田中しかいなかった。球界でも2人目の難業だ。開幕から無敗の歩みを続ける難敵を苦しめた。

 いずれの本塁打も強振ではなく、ミートを心がけていた中で生まれた。バットもグリップ部分を指3本ほど余らせ、強打を描いた。本塁打だけでない。初回先頭では148キロを右前へ完璧に打ち返して突破口を開き、1死二塁から糸原の中前打で先制の本塁を踏んだ。猛打賞は8度目。全得点に絡み、矢野監督からも「素晴らしい。文句ない打撃でした」と評価された。

 球団別では巨人投手陣には最も分が悪く、3安打の猛打を重ねても打率・161。9回1死一、二塁からの二塁左への打球は吉川尚に好捕され、懸命な反撃は断たれた。優勝マジック点灯を許す節目の敗戦を迎えても、やり返さなければならない理由がある。(長谷川 凡記)

 《菅野からは初本塁打&初打点》近本(神)が3回4号ソロ、5回5号ソロで2打席連発。マルチ本塁打は初めて。菅野に対しては過去25打席で24打数6安打0打点の打率・250。今回が初本塁打&初打点だった。菅野からの1試合2発は16年7月28日、田中広(広)の2打席連発に続く2人目だ。

続きを表示

この記事のフォト

2020年9月16日のニュース