中京学院大中京・藤田 佐々木の163キロを受けて得たもの 「甲子園に出ないと…」

[ 2019年4月29日 17:40 ]

春季高校野球岐阜大会 準決勝   中京学院大中京3―5大垣日大 ( 2019年4月29日    長良川 )

大声でナインに指示を送る中京学院大中京・藤田
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 高校球界史上最速の球を受けた男が、力強く夏の飛躍を誓った。中京学院大中京は春季東海大会出場目前での準決勝敗退に、主将を務める藤田健斗捕手(3年)は「序盤に点を取ってから雑になった部分がある。点を取ったら、さらに集中する。夏までに修正したい」と表情を引き締めた。

 一躍その名が“全国区”となったのは、4月5日から奈良県内で行われたU18ワールドカップ(W杯)高校日本代表1次候補の「国際大会対策研修合宿」での出来事だった。紅白戦で大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)とバッテリーを組み、高校球界最速となる163キロ直球を捕球。未体験の剛球を受け続けた影響で左人差し指の根元に裂傷まで負った。当時「何度も(ミットの)土手で捕ってしまったし、目も体も追いつかない。受けていて怖かったし、捕るだけで精一杯」と証言。傷口は、ようやく最近になって完全にふさがったと言う。

 衝撃続きの合宿で得たモノは大きかった。「野球の技術だけでなく、ケガ予防の意識が高い。投手はみんな風呂上がりにストレッチをしたり、これは自分のチームでも生かせられると思いました」。帰郷後、全国レベルの投手の普段の行動など、見たり感じたりしたことをミーティングで伝達。チームに確実に還元した。

 全国レベルを体感したからこそ、自身の結果に不満が残る。3打数無安打2三振。リード面では5投手を引っ張ったが「4番としての結果を残していない。チャンスで1本出せるようにしていかないと」と肩を落とす。合宿では星稜・山瀬、智弁和歌山・東妻ら高校を代表する捕手と甲子園での再会を約束した。「そのためには自分たちが甲子園に出ないと。夏に岐阜で頂点を取るために、切り替えてやっていきたい」と前を向いた。

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2019年4月29日のニュース