桑田氏、伝説の復帰戦を振り返る “KK揃い踏み”のスペシャルな内容に「神がかっていた」

[ 2019年4月29日 18:59 ]

1997年4月6日、桑田真澄が661日ぶりの復活マウンド。痛めた右ヒジをプレート板に置き復活の儀式
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 巨人で背番号18を背負い、平成の大投手として知られる桑田真澄氏(51)が28日放送のTBSのスポーツ情報番組「S☆1」(日深夜0・15)に出演。伝説の“復帰登板”について語った。

 1995年5月24日の阪神戦、桑田(当時27)はバントで3塁側に高く打ちあがった打球にダイビングキャッチを試みる。その際、右ひじを強打しじん帯を断裂。長いリハビリ生活を送ることになる。

 桑田氏はリハビリ中を振り返り、「『もう投げられないんじゃないか』とか『また、ひじが痛くなるんじゃないか』とか、不安が頭をよぎるんですね」と、日々不安と戦っていたことを吐露。不安をかき消すため「他の事に集中する時間を増やしていた」という。

 1997年4月6日、661日ぶりに桑田(当時29)がマウンドに帰ってきた。ここで桑田は、マウンド上で右手をプレートに添える、伝説のシーンが生まれる。

 桑田氏はケガをした直後、「病室から手術室に運ばれていく時、傷がないヒジを見て『今度、目が覚めたらココにキズがあるんだな』と思うと泣けてきた」という。その時に思ったのが「復帰できてまたマウンドに立てたら、ヒジを(プレートに添えて)帰ってきました、これからもよろしくお願いします」というパフォーマンスをやると決めていたそうだ。

 さらにマウンドのプレートは目立つようにペンキで白く塗られるそうだが、桑田氏はグラウンドキーパーに「(プレートを白く)塗らないでくれ」と頼んでいたとか。なぜなら「ヒジにペンキが付くのが嫌だった」から。当時を思い出しながら桑田氏は笑顔を見せた。

 復帰戦の桑田は初回から躍動した姿を見せる。しかし3回、ケガをした時と同じようなフライが上がり、同じようにダイビングキャッチを試みる。あの悪夢を思い起こさせるプレーに周囲はヒヤリとするが、桑田氏は「雨の日も、寒い日も、暑い日も、ファンの方がいつも応援に来てくれる訳ですよ。選手はグラウンドに立ったら、ケガを恐れずに全力でプレーしてもらいたい」とのコメント。全力プレーを身上としている桑田氏だからこそ、手を抜くことなどありえないということなのだろう。

 この年からチームメイトとなった清原和博(当時29)が移籍後初ホームランで援護。桑田は6回1失点の内容で、復帰戦を見事白星で飾った。「清原君が同じチームに来てくれて、僕の復帰試合に花を添えてくれた。僕が投げて抑えて、彼(清原)が打って勝つ」と役者が揃い踏みといった内容。桑田氏の言う通り、まさに「神がかっていた試合」となった。

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