日本ハム有原、無傷の4連勝 金子直伝チェンジアップでレベルアップ

[ 2019年4月29日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―0ソフトバンク ( 2019年4月28日    札幌D )

チェンジアップを投じる有原(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの有原航平投手(26)が28日のソフトバンク戦に先発し、7回を2安打無失点で開幕から無傷の4連勝でハーラートップに並んだ。金子弌大投手(35)直伝のチェンジアップと今季から本格的に投げ始めたツーシームを効果的に配せるようになり、空振り奪取率が大幅に上昇。リーグトップの防御率も0・51と上昇し、3・4月の月間MVPの最有力候補に浮上した。

 有原が内角をえぐった。そして、吠えた。先頭打者に二塁打を許した7回無死二塁。ギアがトップに入った。打者はここまで得点圏打率・407を誇る松田宣。カウント2―2。今季から本格的に投げ始めたツーシームが牙をむいた。

 「(カウント0―2から直球が)2球ボールになって踏み込んでくると思った」。内角高めで完全に詰まらせた打球は二直となり、二塁走者が戻りきれずに併殺。続くデスパイネも遊ゴロに仕留めて無傷の4連勝。今季4度目の満員となった4万1138人の観衆を酔わせた。

 この日の奪三振は今季最少タイの4個だったが、金子直伝のチェンジアップが威力を増し、攻め方が高低、内外角に加えて奥行きも使えるようになった。6回にこの試合初めて四球を許したが、釜元をチェンジアップで狙い通りに投ゴロ併殺。空振り率が大幅に上昇した“お化けチェンジアップ”が効果的で「低めに丁寧に投げる意識で臨んで、ゴロをいっぱい打たせることができてよかった」とうなずいた。

 高橋礼(ソフトバンク)とハーラートップに並ぶ4勝に、防御率がリーグトップ。奪三振も2位で、計35回で与えた四球は4つ。1試合平均は約1個と持ち前の制球力も光る。今季からバッテリーコーチも兼任する捕手の鶴岡は「前は力を抜いたら全部抜いていたけど、打者を見て抜きどころと力を入れるところが分かってきた」と成長を口にする。この日最速152キロをマークした直球が150キロを超えたのは、3番・松田宣、4番・デスパイネ、6番・明石の中軸のみ。そのメリハリも好投の要因で平成最後の月間MVPの最有力候補となった。

 栗山監督も「素晴らしかった。今年やっていることが形になっている」と絶賛した。「この投球がベースになるようにできたらいい」と有原。昨季は8勝止まりで3年連続2桁勝利を逃した右腕が、エースの座返り咲きへ勝利を積み重ねる。(東尾 洋樹)

 ≪空振り率は両リーグトップ≫有原は現在、空振り率が15・1%で今季300球以上投げた投手では両リーグトップ。4試合連続2桁奪三振の千賀(ソフトバンク)をも上回っている。自身の昨季9・9%から大幅にアップしている要因は、改良したチェンジアップによる部分が大きい。この球の空振り率は昨季の18・4%から31・5%へと急上昇している。

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2019年4月29日のニュース