19歳右腕、広島・遠藤3日間の1軍。ブレーク候補が与えた驚きと持ち帰った自信の裏側

[ 2019年2月18日 09:48 ]

<広島キャンプ>紅白戦に登板した遠藤は無失点に抑える(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 19歳は、たった3日間でも変われる。広島の高卒2年目、遠藤淳志投手。9日に練習参加として1軍に初合流すると、ブルペン入りして100球。直球の強さを認められて、11日の紅白戦登板をつかむと、1回無安打1与四球と上々の内容を披露した。ただ、出発が2日後に迫っていた2次キャンプ地の沖縄行きをつかむにはアピール期間が短すぎた。紅白戦を終えると2軍行きを命じられた。

 それでも、緒方監督から直々に伝えられた一言が、首脳陣に確かな爪痕を残したことを物語る。「いいものは見せてくれた」。1メートル84の高身長から投げ下ろすキレのある直球に、定評のある制球力。紅白戦の1イニングだけでも、インパクト抜群の自己紹介となった。

 「緊張しました…。それなりにはアピールできたと思います。球場の緊張感も含めて、大事な経験になりました」

 19歳の心の中の何かが変わり始めた。2軍に再合流してから2日目の13日、2軍のシート打撃に登板した。1軍の紅白戦に登板した11日の観衆は、1万7000人。対して、2軍の観衆はざっと200人程度だったろうか。これまでなら何の変哲もない光景。しかし、キャンプといえども1軍の舞台を経験した遠藤には、緊張感から何もかもが物足りなかったに違いない。マウンド上で感じたのは、あの3日間で身につけた「自信」だった。

 「今は、2軍では自信を持って投げられています。もう1度呼ばれたときに、いい投球をできるように準備していきます」

 振り返れば、キャンプインから、明らかにハイペースで調整していた。2軍の拠点・東光寺球場のブルペンは屋外。宮崎とはいえ寒さを感じさせる環境を言い訳にしない全力投球には目を見張るものがあった。「調子はいいですね。飛ばし過ぎているぐらいです。だって、山口は1軍ですから。負けたくないので」。同期でドラフト2位入団の山口は、秋季キャンプから1軍に同行。マイペースに調整している場合ではなかった。

 実は、昨季のリーグ優勝決定後、遠藤は1年目にして昇格プランが持ち上がっていた。3軍での強化指定期間を終えると、2軍戦でウエスタン・リーグ4試合に登板し20イニングで6失点(自責5)、防御率2・25。当時2軍担当だった佐々岡投手コーチが強く1軍に推薦したという。しかし、腰の張りを発症して昇格は消滅。19年シーズンへの本格的なアピール機会となるはずった日南秋季キャンプにも招集されなかった。

 「けがをして何もできなかったので、人一倍練習してキャンプに入ろうと思っていました」

 そして、多くの記者に囲まれた前で自ら切り出すように誓った。

 「開幕1軍も狙っています」

 3日間で技術が向上するほど甘くないことは百も承知。その上で、自信を手に入れたこの経験が、遠藤のターニングポイントになる可能性は十分にある。(記者コラム・河合 洋介)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年2月18日のニュース