半年以上の浪人を経て…ホリデー3634日ぶり帰還弾に見た選手とファンの幸せな関係

[ 2018年8月28日 13:30 ]

25日のカージナルス戦の7回、代打でソロ本塁打を放ったロッキーズのホリデー(AP)
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 劇的な復帰アーチにロッキーズファンの誰もが酔っただろう。古巣に10年ぶりに復帰したマット・ホリデー外野手(38)が、ロ軍の一員として3634日ぶりのアーチを放った。

 25日のカージナルス戦。0―0の7回に本拠ファンのスタンディングオベーションに迎えられ代打で起用されると、打った瞬間それと分かるソロを左翼席に運んだ。チームは8回に同点とされたが、その裏に8点を勝ち越し、英雄の帰還に沸いた。

 「最高の瞬間だった。周囲の方々の助けに感謝しているし、今はこの時を楽しみたい」

 ロ軍をワールドシリーズ進出に導いた07年は、首位打者(・340)と打点王(137)に輝き、最多安打(216)もマークした。しかし、オフにFAを控えた08年にアスレチックスへ移籍。翌09年からはカージナルスで、昨季はヤンキースでプレーしたが、今季は所属先が決まらず浪人暮らしが続いていた。ロ軍とのマイナー契約に合意したのは7月末だった。

 日本プロ野球(NPB)でも前巨人・村田、前ヤクルト・飯原、前広島・梵ら、実績あるベテランが独立リーグや社会人でNPB復帰を目指した。だが、彼らベテランに声が掛かることはなかった。

 12球団と30球団、というパイの差が最大の違いだろう。だが、今回のホリデーのように「代打としてのパートタイマー」という割り切りの元、適材適所の人員配置を繰り返してきた歴史が大リーグには根付いている。

 通算2084安打、315本塁打の名選手が、半年以上の浪人暮らしを送るだけでも、日本から見れば凄いことに感じられる。もっとも大リーグではそうした選手は数多い。引退表明後に丸1シーズンのブランクを経てカムバックし、2シーズンで16勝を挙げたヤンキースのアンディ・ペティットのような例もある。

 勝利こそ最優先なのは間違いない。若手の育成が近道なのは確か。ただファンが心から見たいものは何なのか。クアーズ・フィールドに架かったホリデーのアーチと、ファンの熱狂的な盛り上がりは、とても幸せな関係に映った。(記者コラム・後藤 茂樹)

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