阪神・福原 あふれ出す涙…直球3球斬り「最高のマウンドでした」

[ 2016年10月2日 05:30 ]

<神・巨>ナインに胴上げされる福原

セ・リーグ 阪神6―0巨人

(10月1日 甲子園)
 思いを込めた福原の3球は予想通りのオール直球勝負だった。阪神一筋18年間のラスト登板は、くしくも入団1年目、開幕戦だった99年4月2日の初登板と同じ巨人戦。5点リードの8回。慣れ親しんだ甲子園に4万2084人の「福原コール」が響いた。

 「初めての登板が巨人戦で、最後もそう。縁があるのかなと感じています。(初球は)ちょっと引っかけてしまったけど、最後をストレートで勝負できてよかった。最高のマウンドでした」

 万感の思いでマウンドへ向かうと、金本監督から直接ボールを手渡される粋な計らいが待っていた。「“思い切って投げろ”と言っていただいた」。選んだのは、こだわり続けてきたストレート。立岡と対峙(たいじ)し初球は内角低め143キロがボール。2球目は外角いっぱいに141キロを制球した。そして、ラスト。真ん中低め142キロカウント1―1からの3球目、真ん中低め142キロで平凡な左飛に仕留めた。鳥谷から「記念球」を受け取ると、丁寧に、マウンドの土をならした。安藤に後を譲ると溢れる涙をこらえきれない。駆けつけた両親や夫人ら家族に見守られ、その野球人生に幕を下ろした。

 涙に暮れるセレモニーだった。引退を惜しんで泣きじゃくる4人の息子から花束を受け取ると、涙をこぼしながら、一人ずつ愛息の頭をなでた。「家族はいつも通り“頑張って”と見送ってくれて、その後にメールで“笑顔で投げておいで”と。子どもたちは普段、僕に“泣き虫”って言うんですけど(セレモニーでは子どもたちが)泣いてましたね」。安藤、福留、鳥谷、藤浪…目を真っ赤にした後輩と固い握手を交わした後、後輩らの手で8度、宙に舞った。

 かなえられなかった金本監督の胴上げは、後輩に託す。「“本当に頑張れよ”と。その気持ちだけですね。(投手キャプテンマークは)晋太郎に付けてほしい気持ちはありますね」。通算595試合で1338回1/3を投げた。守り続けた甲子園のマウンドに、福原が別れを告げた。 (湯澤 涼)

 ▼阪神・岩貞(7回6安打無失点。3年目で自身初の2桁勝利)いつも以上に緊張したけど、いい形でフクさん(福原)にバトンを渡せて大満足。来季に向けては、勝てない時期をなくさないとチームの信頼は得られない。休む暇はない。

 ◆福原 忍(ふくはら・しのぶ)1976年(昭51)12月28日生まれ、広島県出身の39歳。広陵では甲子園出場なし。東洋大を経て98年ドラフト3位で阪神入り。ルーキーの99年は救援で10勝9セーブ。先発に転向し06年に自己最多12勝をマーク。10年から救援に再転向し、11年から5年連続で50試合以上に登板。14、15年は最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。1メートル80、96キロ。右投げ右打ち。
【試合結果】

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