多村 中日戦力外で現役引退「まずはパパらしいことを」

[ 2016年10月2日 05:30 ]

球団から戦力外通告を受け、現役引退を表明した中日の育成多村

 プロ野球は1日、第1次戦力外通告期間が始まり、ヤクルト、ロッテなど7球団が来季の契約を結ばないことを伝えた。中日では、今年1月に育成選手契約で入団した多村仁志外野手(39)が通告され、現役引退を表明した。

 穏やかな口調だった。名古屋市内の球団事務所で来季の契約を結ばないと通告された多村は、「支配下になれなければ身を引こうと思っていた。今はホント、やり切った感がある。22年間、いいプロ野球人生を送れた」。引退表明。骨折や肉離れなど数多くの故障とも闘い続け「もう痛い思いをしなくていいのかな…」としみじみと話した。

 多村は横浜高から94年ドラフト4位で横浜(現DeNA)入団。04年に40本塁打をマークするなど右の長距離砲として活躍した。06年の第1回WBCでは主軸として世界一に貢献。ソフトバンクを経て、昨季限りでDeNAを戦力外となったが、今年1月に中日と育成契約を結んだ。しかし故障に悩まされ、支配下選手登録はされず。通算成績は1342試合で打率・281、195本塁打、643打点だった。

 家族には前日に伝えたという。「寂しがっていましたね。嫁さんにも苦労をかけた。(高1の)長女はLINEで文章をつづってくれて…」。目を潤ませて懸命に涙をこらえた多村は、「いずれは指導者という形で恩返しをしたい。まずはパパらしいことをしないと」と話した。
【引退・戦力外選手】

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2016年10月2日のニュース