金本監督「見返す」異例謝罪のち決意表明 就任1年目は4位

[ 2016年10月2日 07:45 ]

<神・巨>Bクラスに終わり、ファンに謝罪する金本監督(中央)

セ・リーグ 阪神6―0巨人

(10月1日 甲子園)
 阪神は1日、巨人戦(甲子園)に6―0と快勝し7連勝で2016年シーズンを終えた。就任1年目を64勝76敗3分けの4位で終えた金本知憲監督(48)は、試合後のあいさつでファンに異例の謝罪。「監督として力不足」と頭を下げ、「来年は巻き返す年、見返す年にしたい」と捲土(けんど)重来を誓った。台頭した若手をさらに鍛え、オフに参戦予定のFA市場で戦力補強し「超変革」2年目の来季に、12年ぶりのリーグ優勝を目指す。

 宿敵相手に意地を見せる快勝劇でシーズンを戦い終えた猛虎戦士は試合後、グラウンドに一列に整列した。真ん中に置かれたマイクの前に金本監督が進むと、勝利に沸く虎党が一瞬にして静まり返った。シーズン最終戦後に指揮官が肉声を発するのは04年の岡田監督以来。金本監督は、ゆっくりと言葉を続けた。

 「今シーズンは私の監督としての力が足りず、チームの低迷を招いてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。チームが低迷したにもかかわらず最後まで甲子園球場に足を運んでくださったファンの皆さま、本当に心より感謝申し上げます。この日から若手、中堅をさらに鍛え上げ、来年は巻き返す年、見返す年にしたいと思います」

 その後、グラウンドから引き揚げてくると、思わず本音もこぼれた。「(監督1年目は)正直、しんどかった。思いもよらぬ出来事が、いっぱいあった。予測不可能なね。まさか、まさかの連続だったよ」。初体験の連続だった「超変革」元年。主力の不振や故障などが重なり思わぬ苦戦を強いられた。覇気の見えないチームに対し、怒りを爆発させたこともあった。高かった開幕前の下馬評に反し、64勝76敗3分け。想定外の苦杯をなめさせられた。

 だからこそ、この1年を無駄にするわけにはいかない。「超変革」の旗印の下、開幕戦から若手を1軍に大量抜てき。多少のミスには目をつぶり、経験を積ませることで新戦力の台頭を促した。そして飛躍が楽しみな若虎たちを見いだした。「野手は北條、高山、原口。あと中谷。中谷も過去の実績からするとよくやった方と思う。投手なら青柳、岩貞。来年さらなる飛躍をね」。戦力の底上げは、着実に進んだ。

 「結果は全部、僕の責任ですから」。Bクラスの責任を背負った指揮官自身も、1年間で監督としての経験を積んだ。「超変革」2年目は同じ轍(てつ)を踏まない。「(見返す気持ちは)選手が一番持ってほしい。僕自身もあるし。僕自身がそういう気持ちじゃないと、選手もそういう気になれない」。

 試合後、クラブハウスで行われた全体ミーティングでは全選手、スタッフに「もっと、みんな出来ると思う。来季はやり返す年にしよう」と言葉を掛けた。金本阪神の新たな戦いが始まる。 (惟任 貴信)

 ≪吉兆データ≫阪神は14年7月の8連勝以来2年ぶりの7連勝。ゲーム差なしで追走していたヤクルトが敗れたため、4位に浮上してシーズンを終えた。阪神は過去5度のセ・リーグ優勝のうち4度が前年度4位からの達成で、62年藤本監督、03年星野監督、05年岡田監督は就任2年目。来季2年目の金本阪神には吉兆データだ。
【試合結果】

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