ダル 圧投!右肘手術後最多12K 全シリーズ本拠開幕決めた

[ 2016年10月2日 05:30 ]

<レンジャーズ・レイズ>6回、三振を奪い吠えるダルビッシュ(AP)

ア・リーグ レンジャーズ3―1レイズ

(9月30日 アーリントン)
 ポストシーズンへ万全!レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が30日(日本時間1日)のレイズ戦に先発し、6回を3安打1失点で7勝目(5敗)を挙げた。チームはこれで球団初のリーグ最高勝率が確定。ワールドシリーズまで全ステージでのホームアドバンテージを手にした。右肘手術後最多の12三振を奪う圧倒的な内容。節目の100試合登板で28度目の2桁奪三振は、メッツなどで活躍したドワイト・グッデンの31度に次ぐ歴代2位となった。

 ピンチでギアを上げダルビッシュの真骨頂が垣間見えた。5回までは2安打無失点。6回に先頭を四球で歩かせ、続く3番ロンゴリアに適時二塁打され2―1と1点差に迫られた。「走者だけは還さないように。もちろん三振3つが理想でした」。4番ミラーを96マイル(約154キロ)直球、続く2者はカーブで圧巻の3者連続三振に斬り、雄叫びを上げた。

 これで95勝65敗。球団初のリーグ最高勝率が確定し、規定によりワールドシリーズまでの「ホームアドバンテージ」を獲得した。今季53勝26敗と圧倒的な勝率を誇る本拠で、ポストシーズンを優位に戦える。何より、ダルビッシュの状態が上がっているのが頼もしい。

 「全体的に自分の投げたいボールは投げられたし、良い内容だった」。昨年3月の右肘手術後最多の12奪三振で、100試合を終えて28度目の2桁奪三振は元祖「ドクターK」ことグッデンが記録した31度に次ぐ歴代2位のペースだ。1試合で20個の空振りを奪ったのも術後最多。特にこの日は直球8、シンカー4、スライダー4、カーブ4とまんべんなく奪った。奪三振王に輝いた13年でさえも、4つの球種全てで4個以上空振りを奪った試合はなかった。敵軍の主砲ロンゴリアは「手術前は変化球が多かったけど、今はよく動く95マイル(約153キロ)の速球(シンカー)だけでも十分に脅威」と舌を巻いた。

 9月17日アスレチックス戦で7失点と乱れ、プレーオフに間に合わないと危機感を抱いたと明かす。撮影した投球フォームを検証し微調整などを行い、前回24日アスレチックス戦は7回無失点と好結果につなげた。「急に良くなって、それを引き続きできた。精神的にもクリアな状態で投げられている」とうなずく。

 地区シリーズでは7日(日本時間8日)の第2戦を任される見込み。「日本でもポストシーズンは良かったはず。周りが盛り上がるし、自分も楽しめるので。全く心配なく、いい成績を残せるのではないかなと思う」。球団初の世界一への道筋をお膳立てし、次は自らその階段を駆け上がる。(アーリントン・奥田 秀樹通信員)

 ≪ワールドシリーズまで≫レンジャーズが残り2試合を連敗し東地区優勝のレッドソックスと中地区優勝のインディアンスが残り試合を全勝した場合は3チームが95勝67敗で並ぶ。その際は(1)直接対決の勝敗数(2)所属地区内での勝率の順で決まる。レンジャーズはレッドソックスとは3勝3敗だが(2)の条件で、インディアンスには(1)の条件で勝るためにホームアドバンテージが確定した。ワールドシリーズは7月のオールスターでア・リーグが勝利したためで、全ステージで本拠地から開幕できる。

 ≪日本選手では野茂が21度≫ダルビッシュが節目の100試合登板で、28度目の2桁奪三振となった。過去の日本選手の100試合時点と比較すると最多で、次いで野茂英雄の21度。ダルビッシュの12奪三振以上は8度目で、過去最多は13年8月12日のアストロズ戦で15奪三振。今季は100回1/3を投げ、イニング数を大きく上回る132奪三振。奪三振率11.84は、100イニング以上投げた投手ではリーグトップで、2位のピネダ(ヤンキース)の10.61を引き離している。

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