イチロー再加速 米3000安打へあと20 6月驚異.425止まらん

[ 2016年6月19日 05:30 ]

<マーリンズ・ロッキーズ>7回1死、代打で中前打を放つイチロー

ナ・リーグ マーリンズ5―1ロッキーズ

(6月17日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(42)は17日(日本時間18日)、ロッキーズ戦で7回に代打で中前打を放ち、メジャー通算3000安打まであと20とした。15日にピート・ローズが持つ大リーグ記録の通算4256安打を日米通算で上回り、本拠地に戻った一戦。試合前のセレモニーで地元ファンに祝福される中、いきなり快音を響かせた。6月の打率は驚異の・425。絶好調の42歳が新たな金字塔に向け、再スタートを切った。

 なおも加速する。これがイチローだ。2―1で迎えた7回1死。代打が告げられ、大歓声が注がれた。右腕ヘルマンの86マイル(約138キロ)の外角低めへ沈むチェンジアップを、上から角度をつけながら完璧に捉えた。メジャー通算2980安打目が中前で弾んだ。

 次なる標的3000安打へいよいよあと20本。「知ってますよ」。迫る金字塔へイチローは即答した。そして「20打席はかかるわけですからね。次の1本は絶対打つつもりでいっている。20回連続で打てないことは知っていますが。次の1本を打つことが、当然でしょうね」と冷静に続けた。

 ピート・ローズの大リーグ記録4256安打を日米通算で上回ったことを祝い、試合前には祝典が開かれた。イチローには日米通算4257安打目となった二塁打で踏んだ二塁ベースが贈られた。「置き場所に困ります。まとめてこの中(クラブハウス)に置いてある」。メジャー通算500盗塁を達成した4月29日にもベースをもらっており、苦笑いで感謝した。

 ローズ超え後のサンディエゴからマイアミへ戻るチャーター機内では、チームメートがイチローを囲み祝杯を挙げた。友人、知人からのメッセージも届いた。「いつも通りのメンバーからテキストが来て。もちろん(うれしい)」。今後は安打するごとに世界記録の更新になるが「それにはもう触れないでいいんじゃないの」と遮った。既に過去ではなく視線は前へ。6月は15試合で17安打と1試合平均1・13安打と急加速しており、このペースだと7月12日のオールスター戦前にも到達する計算になる。

 一本一本の積み重ねでここまでたどり着いた。まず明日の2981本目。そこに全力を注ぐ。(マイアミ・笹田 幸嗣通信員)

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