金本監督限界「当たる気がしない」…7打席連続三振ゴメスに来日初代打

[ 2016年6月19日 06:30 ]

<神・ソ>4回2死、ゴメスは空振りの三振に倒れベンチでバットを叩きつける

交流戦 阪神0―1ソフトバンク

(6月18日 甲子園)
 阪神のマウロ・ゴメス内野手(31)が18日のソフトバンク戦(甲子園)で、来日3年目にして初めて代打交代を告げられた。この日も1、2打席連続三振し15日オリックス戦から続く連続打席三振は自己ワーストを更新する7に。チームも毎回の14三振を喫し今季最少タイ2安打で4度目の零敗。首位広島とのゲーム差は7に広がった。過去、阪神がリーグ優勝したシーズンの最大逆転は6・5差だけに、一つの正念場を迎えた。

 甲子園に詰めかけた今季最多4万6794人の観衆が、にわかにざわついた。7回、先頭の福留が打席に入ると、次打者席に向かったのは5番ゴメスではなく俊介だった。福留が中飛に倒れると、ベンチから出てきたのは狩野。金本監督もベンチを出て、改めて狩野の代打を告げた。ベンチ前列に座っていたゴメスは、その光景を確認するとベンチ裏へと消えた。

 来日3年目で初めて代打を送られた。猛虎打線をけん引してきた主砲にとっては屈辱以外の何ものでもないが、それほどに事態は深刻と言っていい。

 2回1死からの第1打席。千賀の初球はベース手前でワンバウンドする外角フォークだったが、あっさりと空振り。2球で追い込まれ151キロ直球をファウルしたが4球目のワンバウンドするフォークで空振り三振に倒れた。続く4回2死でも初球フォークを空振りし1球ボールの後、2球続けて見逃せばボールだろう外角フォークに手を出し連続三振。最後の球に対しては投球と同時に投手よりにステップする工夫を見せたが実らなかった。15日オリックス戦の最終打席から自己ワーストを更新する7打席連続三振に、ベンチに戻るとバットを叩き付け悔しさをあらわにした。

 0―1のスコアが示す通り、貧打が最大の敗因。その責任を大きく感じるだけに、試合後は「何もない」とだけ言い残すのが精いっぱい。クラブハウスへ引き揚げる姿は何とも力なく映った。

 金本監督は「当たる気がしないでしょう。バットに。本人も、どうしていいのかパニックになっている部分もあると思うし」と交代させた意図を説明した。試合前練習では片岡コーチも交えて会談し「“自分の好きなようにやってみろ”と。頭をリフレッシュして。自分で考えて。なぜ、ああなるのかをね」と自らの力で打開することを求めたが、すぐに結果は出なかった。

 首位広島がミラクル逆転劇で勝利し、ゲーム差は7に広がった。過去、阪神が5度リーグ優勝を決めたシーズンにおける最大のゲーム差逆転は64年の6・5で「デッドライン」を超えたことになる。ただ、数字は過去のもので、まだ74試合も残っており、巻き返す時間は十分に残っている。

 そのためには、チームトップの13本塁打、47打点のゴメスの復調が不可欠。指揮官も「いくら周りが手助けと言ってもね。最後は自分が考えて自分で迷路から抜け出すしかない。トリ(鳥谷)と孝介(福留)とゴメスはね。この3人は代わりがいない」と、あえて厳しい言葉で復調を願った。

 チームは13試合連続ノーアーチで、流れを変えるのは、やはり本塁打。猛虎浮上のカギを握る助っ人が、自らのバットで豪快なアーチを描いた時、新たな光が見えるはずだ。 (久林 幸平)

 ▼阪神・オマリー打撃コーチ補佐(ゴメスについて)全部ボール球に手を出している。(打撃時のタイミングも)早いね。

 ≪過去最大6・5差≫阪神と首位広島のゲーム差は今季最大の7に広がった。これまで阪神がリーグ優勝したシーズンに、首位に付けられた最大ゲーム差は64年の6・5。7月26日時点で47勝37敗1分けの2位だったが、その後を33勝19敗3分け、勝率・635の快進撃で大洋を逆転した。プロ野球で最大ゲーム差からの逆転優勝は、63年西鉄の14・5差がある。

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