プロ野球界に求められる新たな役割 日本ハムOB、西アフリカ選抜と激突

[ 2016年6月19日 12:15 ]

 野球をやって、観客を集めて、収入を上げればいい。プロ野球界もそんな時代ではなくなってきた。社会貢献や地域密着といった新たな役割も求められる中で、日本ハムがある試みに挑戦する。北海道日本ハムファイターズOBレジェンズを結成して、7月17日に室蘭新日鉄住金球場で西アフリカ選抜チームと対戦することになった。

 レジェンズの監督は、81年リーグ制覇した際の正捕手だった大宮龍男氏が務める。投手陣は木田優夫GM補佐、西崎幸広氏、岩本勉氏ら、往年の名投手たちの名前が連ねる中で、2年前まで現役でプレーしていた建山義紀氏が期待される。野手は森本稀哲氏、稲田直人氏ら若手OBが多い中で、小中学生に野球を指導する球団アカデミーの職員として働く市川卓氏、高口隆行氏らが参加。下手なプレーを見せれば子供たちからの信頼も揺るぎかねない事態になりそうだ。

 北海道内ではメディアにも取り上げられているが、全国的にはこんな活動をやっていることはあまり知られていないだろう。球団は2013年から北海道富良野市に拠点を置く「ブルキナファソ野球を応援する会」を通じ、野球用具の提供や来日中の選手を試合に招待するなどの支援活動を行っていた。そんな中、「ブルキナファソ野球を応援する会」が西アフリカ選抜をチーム編成して日本ハムと試合をしたいという要請があったという。

 野球競技の国際普及、アフリカ文化に対する理解醸成などの意義に加え、球団サイドは「サッカーではOBによるチャリティーマッチはよくやっているが、野球では少ない。球団も北海道移転して12年になる。OBも価値あるものにしたい」と考えた。北海道内で評論家などで活動をするOBを中心に人材を集めて、ここまでたどり着いた。

 西アフリカ選抜はブルキナファソ、ガーナ、コートジボワール、トーゴ、マリ、ナイジェリア、セネガルの7カ国からセレクションを実施し、11選手が選出されたという。その実力は未知数だが、試合になればあくまでもガチンコ勝負。どんな結果となり、どんな意味を今後持つことになるのか。ファンはどれくらい集まるのか。初めての試みだけに、いろんな意味で楽しみといえそうだ。 (記者コラム・横市 勇)

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2016年6月19日のニュース