藤浪で甲子園のG戦未勝利ストップだ!負ければ25年ぶり屈辱

[ 2016年5月10日 06:39 ]

巨人戦に向け練習する藤浪

 屈辱阻止はエースに託した。阪神は、10日から甲子園で巨人2連戦を戦い、藤浪晋太郎投手(22)が1戦目に先発する。開幕から甲子園での巨人戦は3試合未勝利(2敗1分け)で4戦未勝利となれば7連敗を喫した1991年以来25年ぶりとなる。チーム同様、2連敗中の若き右腕の意地と快投に期待が集まる。

 苦しい時に力を発揮するのがエースだ。チームはヤクルトに2連敗し気がつけば貯金1。攻撃陣も最近4試合全て6安打以下と爆発力が影を潜めている。重苦しい雰囲気が充満する中で迎える巨人2連戦。連勝が求められる第1戦で藤浪が甲子園のマウンドに上がる。

 「(巨人を)特別意識することはないです。試合の流れを見ながら、自分のボールを投げることが大事」

 負の記録を甦らせるわけにはいかない。今季、甲子園での巨人戦は4月26日からの3連戦を戦い2敗1分け。開幕から4試合未勝利は近年はなく、7連敗を喫した91年までさかのぼる。この年は結局、本拠地で宿敵相手に1勝しかできず最下位に終わっている。当時とはチーム力が違うが、勝つに越したことはない。

 今季の3戦は坂本に3本塁打され、長野にも15打数9安打と打ち込まれた。藤浪自身も26日に先陣を切ったが2点リードの6回に長野、坂本に安打を許すなど5安打を集中されて4失点し敗戦投手となっている。「良い場面で打たれないようにしたい。2人に3安打、4安打されても試合に勝てばいい」と決定打を許さない投球を誓った。

 開幕3連勝も最近3試合は勝ち星がなく2連敗中。この1週間は香田、金村両投手コーチと4試合に登板し1完封を含む3勝した昨年8月の自身の映像を見て投球フォーム修正に努めた。金村コーチは「悪い時は、かがみ気味に立って、ボールが抜けていく。軸をしっかりした状態で投げていくことが大事」と説明。藤浪本人も「バランスやリリースの感覚を合わせられるようやってきた」と手応えを口にした。

 思えば、昨季もこの時期に苦しんだ。3月29日の中日戦で勝利してから6試合白星に恵まれず、トンネルを脱出したのが5月14日ヤクルト戦(神宮)。チームを最下位から脱出させる勝利でもあった。

 チーム状況も当時と重なる部分もあり、2年続けて…の楽観的な思考も働く。「コツというか、自分の中で“コレだ”と、はっきりすれば、それをするだけなので」。まだ5月。まずは宿敵相手に勝利し、再度5月反攻の態勢を整える。(湯澤 涼)

 ▼91年・甲子園TG戦VTR 八木の3試合連続本塁打も実らず、初戦から3連敗。その後も巨人の先発投手を攻略できず、連敗は7まで伸びた。7月30日も9回表を終えて1―2と敗色濃厚だったが、完投勝利目前の宮本を攻め、1死二塁から真弓の適時打で同点。続く八木の左翼線二塁打で二、三塁に好機を広げ、ウインが一塁内野安打を放ちサヨナラ勝ち。8試合目にして初勝利を挙げた。9回から野田を救援した久保が勝利投手。しかし、次戦からは再び連敗が続き、1勝12敗でシーズンを終えた。

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